みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

更級の山でキノコ採り

11月の三連休で長女と更級の実家に行ってまいりました。キノコ採りが大好きな母親を連れて山に行く事が目的の一つですが、採れたキノコが食用かどうかを迷う時に母親の品定めは間違った事が無いのです。母親は北佐久郡立科町生まれで有り、キノコ採り歴が半世紀以上の大ベテランです。しかし昨年膝の手術行い足腰が大分弱ってまいりました。

町田市の家を朝5時30分に出発し、途中渋滞に巻き込まれながら更級に到着したのは午前10時くらいでした。もう母は準備万端で待っておりました。早いお昼ご飯を食べて直ぐに出発です。

更級の山々は綺麗に色付いております。紅葉が真っ赤でした。
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どうやら此方は雨が全く降ってないらしく、山が乾いているような感じです。一雨降ると一斉にニョキニョキ出てくるのですが、終盤にこうも乾いていると厳しいキノコ採りになりそうです。

目的の場所に到着し、車から降りると母親が早速『ジコボ』を見つけました。ジコボの正式名称はハナイグチと言います。実は信州人が大好きなキノコなのです。味噌汁良し、うどん良し、大根おろしを乗せて尚良しの素晴らしいキノコなのです。母親は齢83歳ですが、キノコ採りの技は健全でした。

立派なジコボです。少し乾き気味ですね、本来はもっと早い時期に出て、水々しい色をしております。
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裏はこんな感じに小さい孔が無数に有りますので分かり易いキノコなのです。
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娘もジコボの幼菌を2つ目つけました。
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裏も黄色くていい感じです。
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道路脇のキノコは2人に任せて、私は急坂を登って山に入りました。採れる時はビク3つほど採れる年も有りますが、此の数年は不作の様です。

こんな感じで枯葉に隠れております。ジコボはまだ分かり易い方のキノコです。地ナメコなどは全く落ち葉と同じ色の事もございます。
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一尾根の三分の一くらい歩いてスーバーのビニール袋が満たされたので一度山を降りて、母と娘と合流しました。0.14tの重さで山を歩き回ると汗だくです。

2人も結構採っておりました。
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次に栗茸(くりたけ)が出る山に向かいました。時間にして車で15分くらいです。此のように山々と時期によって採れるキノコの種類が違います。最近は変な気候のせいか、時期が大分ズレますね。彼方此方にキノコ採り目的の車が駐まっておりました。通常は11月中頃迄でキノコ採りへ終わりなのです。目的の場所に到着すると秀逸には車が一台も有りませんでした。

到着し、此処の山も乾いてカサカサしておりましたが、小さい栗茸が一面に自生しておりました。其れもかなり広範囲です。

こんな感じです。採りたいサイズの三分の一くらいの大きさですね。母親は『栗茸ご飯には丁度良いわよ』との事で収穫しました。
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良いサイズも有りました。
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美味しそうな栗茸です。
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切り株には必ず出ておりました。
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ビニール袋に満タンで2つ採れ、もう満足です。母親のキノコご飯が大好きな長女は大喜びでした。

キノコの山々とは離れておりますが、帰りには山の神さまに御礼です。向かったのは樋知大神社(ひじりだいじんじゃ)と言う古社です。神域の林は広大なブナ林で構成され、大国主命の孫に当たる神さまの武水分大神さまを御祀りしております。渓流釣り師の私は釣りとキノコと合わせて御礼奉りました。
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参道は太い御神木が左右にズラっと並び、荘厳で清い空気が立ち込めます。雨が降っておりませんが、周囲は所々で湧き水が豊富に噴出しており、苔が生えて綺麗な湿地帯になっております。
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反対側から参道を撮影した図です。奥に見える鳥居の向こうの赤い屋根は、お寺さんです。実に不思議な構図なのです。
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枯葉が大分落ちたみたいで本殿裏の上の方には尾根の稜線が見えますね。
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此方に鎮座されます武水分の大神さまは、広い意味で水の守り神さまです。あらゆる水難は勿論ですが、田畑を御神水で潤す五穀豊穣の神さまでもあります。

広大なブナ林は地下に水脈を形成し、地上にも小川となって山を降り、小さい清水を沢山集めて太い流れと成り、更級の田畑を潤しております。私が産湯を使ったお湯も此方の清水が入っていた事だと思います。ずっと前の御先祖さまからお世話になっていると言う事になりますね。武水分大神さまに改めて拝礼し、御礼の言葉を心中で繰り返した次第です。心地よい秋風が私と娘の前を吹き抜けて行きました。
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採れたキノコは崩れ易い為、直ぐに熱湯で茹でてから冷水に入れ、細かいゴミを取り除き、保存する場合は大きなガラス瓶に水とキノコを入れて沸騰させ、真空にした状態で保存したり、樽に入れて塩漬けにしたり、竹ざるの上で干すなどして保存致します。お正月に牛肉と炒めたり、キノコご飯にしたりして食されます。キノコは山国の大事な保存食となるのです。

今回は一回だけ栗茸ご飯を作ると母親が言っておりますので中皿に一盛りだけ残しました。
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夕ご飯時に飯碗に盛り付けた写真を食欲旺盛な為に撮影する事を失念し、義弟が帰る時用に妹が作ったオニギリを撮影ました。栗茸ご飯は芳しくて良い香りと旨味が特徴です。材料は栗茸、小さく切った油揚、少しのお酒、少しの醤油の4種類のみを使います。お好みによって人参や大根の葉など香を邪魔しない野菜を使う事もございます。
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次回は翌日に行った2ヶ所のうちの一つである『松代大本営地下壕』の話と、何故に大本営天皇陛下の御座所を信濃に移す予定であったかを御案内致します。大本営の決断の中に信濃国が『神州』であった確証がございました。