みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

暮レニ更級ニ帰府ス  

今年は長い一年でした。私が身を置く業界は世の中の情勢に大いに左右される仕事なので余計にそう思ったのかも知れません。そんな中で年末には職場を離れる予定の者が出てしまい、我が身の不徳を恥ずかしむる事しきりです。
 
赴任地の三重県松阪市を仕事が終わった30日の夜に出て、名古屋から特急しなの号に乗り、篠ノ井に降り立ったのは辛うじて同日のうちでした。今回ブログに綴っている大塔合戦の舞台となった場所です。篠ノ井から信濃鉄道で屋代駅に着いて更級の実家に着いたのは31日が始まって30分ほどしてからです。

信州人にとって大晦日31日の夜は『お年とり』と言って特別な日なのです。家族が数え年で一つ年をとる事を祝って、ご馳走を食べる日なのです。私は結婚するまで恥ずかしながら全国が同じだと思っておりました。

神棚の写真
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我が家では家長が神棚の掃除をする事が慣わしですが、今年は長女が広い神棚を一人で清めました。夕餉前に神棚には鮭の頭と炊き立てご飯に12本の箸を置いた大皿を置きます。


更に夕方になると特大サイズの御神酒徳利に『御神酒の口』と言う福を招く縁起物を載せた信濃の美酒を御供えします。こうして大晦日の夜に来訪する歳神さまに召し上がって貰うのです。
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此れが『御神酒の口』です。
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 此方は町田の家で使用している御神酒の口です。信濃のなかでも諏訪地方のみに伝わる伝統工芸品なのです。
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お正月用の酒器も出してまいりました。我が家では年に一回しか使いません。南天紋の蒔絵が施されており『難を転じて福と成す』の意味合いがございます。

此れが出てくるとお正月の気分になります。
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全ての準備が整うと『お年とり』が始まります。昔は祖父と祖母と父がおり、祖父と祖母が他界してからは亡き妻がおりました。現在は家族が全て別々に暮らしております。仕方ない事とは言え、何かが違うような気にもなります。


御礼
今年一年、みすゞかる信州の釣り人に御来訪頂き、真に有難うございました。来年が皆様にとって良い年になる様に、そして大難は小難に、小難は無難になるように心から祈念致します。