みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

夢のお告げ

今週は少し疲労が溜まっていたので釣りはやめておきました。困った事に何故かホームグラウンドの千曲川木曽川渇水気味であり、条件が良くなかった事と車の調子も悪かった事もございました。

 

我が家の事情として、柴犬のヤマト君が日野市に在る亡妻の実家に行っております。下の娘の就職に伴いヤマト君の散歩が出来なくなって預かって貰っているのです。以前我が家に居た時の散歩コースに小さな白山神社が鎮座しておりました。ヤマトが居なくなってから参拝しておりませんでした。ところが今週半ば頃に夢に出て来たのです。夢では何故か白山神社に具足を付けた武者が床几に座って居りました。なんてヘンテコリンな夢だろうとしか考えてませんでした。

 

偶然にも今週は釣りに行かなかったので、週末の買い出しに出かけるついでに白山神社に立ち寄りました。

 

ランタナ(日本では七変化)が咲いております。此の花は気温が3度以下になると枯れるので更級では見た事が無かった花の一つです。
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白山神社は私が西国に行っている時間と含めて3年ぶりでしょうか、流石に夢の通りの鎧武者は居りませんでしたが凛とした空気でした。

 

此方が其の白山神社です。この辺りは諏訪神社氏神さまですが、恐らく元々は小さな祠だったかも知れません。明治の神社合祀にも此の地を離れなかったのは誰かの敷地に鎮座していたものと思われます。
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手書きの由来が書かれた看板がございます。
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参拝者に対して休憩所を設けるなど、管理者の心尽くしの配慮が成されております。此のような氏子さんがいらっしゃるおかげで、此方の白山神社は現在まで伝わっているのだろうと思い、小さく頭を下げました。
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ご祭神は菊理媛神(キクリヒメノカミ)です。総本宮は石川県に在る霊峰白山を戴く鎮座二千百年の由緒を持つ加賀国一宮白山比咩神社です。ご祭神な菊理媛神の事は金沢の釣友に10年ほど前の木曽釣行の帰りに車中で初めて教えてもらいました。

 

菊理媛神を簡単に説明します。軻遇突智(火の神様)を産み、大火傷で黄泉の国に行った伊邪那美命(イザナミノミコト)を追った伊弉諾命(イザナギノミコト)が伊邪那美命居る館を訪れました。帰って来て欲しいと伊弉諾命は言いましたが、伊邪那美命は既に黄泉の国の食べ物を食べてしまったので戻れないが、黄泉の王に聞いて来ますから、その間は私を見ないで欲しいと言う願いを破った事で怒り、伊弉諾命を黄泉の魑魅魍魎軍団を指揮して追いました。そして追われた伊弉諾命は現世と黄泉の国と境にある黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)まで追い詰められたです。ニ神が対峙した時にニ神の御子神さまである菊理媛神が親神であるニ神の取次を行い、菊理媛神の取り次ぎの言葉を伊弉諾命が褒めたとされております。こうして現世に戻った伊弉諾命は黄泉の穢れを洗い流した際に生まれたのが、天照大神素戔嗚命月読命三貴神です。こうして白山の菊理媛神(キクリヒメノカミ)は、あらゆる良縁を結ぶ神さまとなったのです。

 

出雲に在る黄泉比良坂とされる場所です。  Wikiより
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そんな由緒を思いながら心を込めて参拝してまいりました。買い物を済ませて家に帰ってから、夢の中の鎧武者は何だったろうと考えましたが、私の拙い知識では分かりませんでした。

 

そこで町田の自宅に持って来ている具足を床の間に飾ろうと思いつきました。考えてみれば鎧櫃(ヨロイビツ)から出すのも2年半ぶりでした。具足(鎧)は組紐と革と鉄で出来ているので結構重いし、鎧立てと言う木枠に飾るのは手間が掛かるのです。

 

此方が町田の家に保管している具足です。此の当世具足は恐らく新しいものだと思います。
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兜の前立は三日月で、更級の家にある具足と同じです。
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1時間とほどで飾り終えましたが、何だかんだ疲れてボーっと具足を眺めておりました。良く考えてみましたら、亡父から一年に一回は鎧櫃から出して空気に触れさせる様にと言われておりました。ところが長く鎧櫃に仕舞ったままだったのです。更級にある先祖が文政年間に誂えた具足は此の前の夏休みに床の間に飾りましたが、町田の家のものは櫃から出してなかったのです。其の様な訳で1ヶ月くらいは此のままにして我が家を御守り頂く予定です。

 

空の鎧櫃を物置に仕舞おうと考え、金具どうしが櫃内でぶつからない様に置かれている小さめの座布団の様な物を手に取ってみたら、其処には刺繍で白山堂とありました。恐らく白山神社とは無縁だと思いますし、祖父か曽祖父が購入したモノだと思うので、どの様な由来が有るかは分かりませんが、夢の内容が重なった事に驚きを禁じ得ませんでした。ご先祖さまが『釣りにばっかり言ってないで、やる事をやれ』と言っているようでした。

 

此方は町田の家の小さな仏壇です。朝ごはん前にご飯とお水をお供えしたばかりですが、再度蝋燭を灯し、お線香をあげて、『サボってました、御免なさい』とお詫びした次第です。
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