みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

千曲川 イワナとヤマメ釣り

今週も千曲川水系に釣りに行ってまいりました。松阪に行くまで、水系は統一しておりませんが、シーズンを通して皆勤賞でしただけに自然と足が向かってしまいます。此方に戻って約1ヶ月ですが、思い起こすと松阪は実に良い地域でした。離れてみて改めて地域の良さが分かります。

道中に大好きな桔梗が綺麗に咲いておりました。桔梗の2文字の『木』を外すと『吉が更に増す』と成ってか縁起の良い花です。
f:id:rcenci:20230730093658j:image

今日は海の口が半分と川上村が半分の工程です。海の口は2年半ぶりに入渓する小河川でした。かつては遡上期に本流から大ヤマメや大イワナが遡って来る貴重な河川でしたが、今はかつての魚影の濃さは全く感じません。沢の釣りは実際に釣るとなると入渓点や退渓点などが分からない事が多いのですが、此処もご多分に漏れず分かり難い河川です。

写真1.5 川上村には天然記念物の川上犬が沢山飼育されております。此のワンコはただのワンコでは無く、日本狼と柴犬の混血であり、狩猟犬として大活躍しておりました。

話を沢釣りに戻します。竿はシマノ寒流5.5mに2.5mの糸を通しで張り、必殺の自作『浮玉目印』を2個付け、錘はガン玉4号、針は改良ヤラズの小針に餌は小さ目のクロカワ虫です。

浮玉は沈める為の目印です。昔は美濃の藤本重兵衛商店から販売されてましたが、製作者の高齢化で販売取り止めとなり、其の後数年間は在庫を使用してましたが、やがて在庫も無くなってしまったので3年かけて自作致しました。此の目印の利点の一つとして、ボサが水面に近くまで張り出している場所でもラインを緩める事で釣れたり、風の強い日は目印を沈める事で簡単にアタリが取れる事です。
f:id:rcenci:20230730093720j:image

早速一投目から瀬尻の餌を猛然と追いかけてイワナが食い付きました。落ち込みの岩の間に潜んでいたようです。

八寸は超えていると思います。
f:id:rcenci:20230730093843j:image

この後も食い気は立っており、次々と釣れましたが七寸を超えたものだけ4匹キープしました。
f:id:rcenci:20230730093853j:image

眠い目を擦りながら車で15分の川上村に行きました。8月12日が近づくと日本航空123便墜落事故を思い出します。墜落現場の雄高山周辺は古くは『高天原山』といい、神々の合戦が有ったと言う地元の言い伝えが存在します。しかし此方は長くなるのでまたの機会にご案内致します。

川上村に着いたのは、すっかり日が登った8事半頃でした。川上村は高原野菜の一大産地です。
f:id:rcenci:20230730093914j:image

川上村でも沢に入ろう思っておりましたが、フッと思い立って西川が千曲川本流に流れ込む合流点の下流部に行きました。此処はこの時期に良い思いをした事が多く有りますが、反面釣れる時と釣れない時の差が極端なポイントです。此の時期は草の丈が高いので悪戦苦闘の末にポイントに辿りつきました。やはり久しぶりに入ったので渓相は大分変わっておりました。大きなポイントが見当たりませんので、師匠直伝の川底を読む方法を取ったのです。

重い錘でミミズを周囲より若干深くなっている『かけ下がり』流し込みましたら、小さいですが大物のアタリが出ました。0.6を張っておりますので余程の大物でなければ取れると思いましたが、見えない好敵手は明らかに尺は超えているトルクと、イワナ君とは違うスピードで大暴れして楽しませてくれました。私の剛竿が満月になるまで絞り込む強引でした。

少しのやり取りの後で顔を見せたのは『戻りヤマメ』と言われる銀毛ヤマメです。以前放流したものが生き延びて種を繋いでいたと思います。思いがけなく有難い授かり物に、竿を置き帽子を脱いで千曲の龍神様に御礼申し上げた次第です。
f:id:rcenci:20230730093945j:image

ちょっとだけ試すつもりだったので携帯は車の中でした。此の写真は約1時間ほど探釣して車に戻ってからの撮影です。友人の携帯を借り、オマケに魚体を友人に傾けて貰って撮影しました。前夜ろくに充電してなかった私の携帯はバッテリー切れとなっていたのです。大ヤマメは家に帰って計測しましたら35cm有りました。

もうコレで充分です。車に戻ってから魚の処理を済ませてオニギリとバナナの遅い朝食を車中で頂きました。

標高の高い沢で魚の処理を致しました。上を見てみると『姫胡桃』が枝に実を付けておりました。縄文中期の大深山遺跡が川上村にはございますが、川上村の縄文人も此の姫胡桃を割ってホジホジして食べていたのかと思うと、思わずクスッと笑ってしまいました。
f:id:rcenci:20230730094031j:image

話は違いますが、川上村の大深山遺跡からは謎の土器が出土されております。其の名も人面香炉形土器です。人面と有りますが、私にはどうしても人面には見えません。渓流釣りは釣りの中で唯一『昔を訪ねる釣り』ですが、流域の文化と歴史は釣りと同じくらい興味の深い分野です。そんな古代から種を繋いでいる山の幸を頂ける事を思うと、山神さまと千曲川龍神さまに感謝の念が絶えません。
f:id:rcenci:20230730094056j:image