お正月とお彼岸に実家への帰省は時節柄止めておいたのですが、思う処有って今週は墓参りも兼ねて更科へ帰省する事に致しました。もちろんですが途中で須玉インターで降り、国道141号線を北上して何時もの釣り場でお土産用のイワナを釣って帰る事と致しました。今回は社会人一年目の娘と一緒です。金曜日の夜に出発する事について私は慣れっこですが娘は一週間の仕事を終えてから寝ないで出発致しましたので疲れて車中で大爆睡しております。考えてみると我が職場の一年社員が1日中動きまくっている姿を見ると、同世代の娘が金曜日の夜半にはクタクタになっても無理は有りません。敢えて私と同じ営業職を選ばなくても他に何か...と思いましたが、亡き妻も私も営業職なので娘も感化されたのでしょうか、無理せずに目立たなくとも真摯に取り組んで頑張ってほしいと願っている次第です(ヨケイナハナシデシタ)。
話は本題に戻りますが渓流釣りの条件として本日は雨が降っておらず超渇水でオマケに朝方はマイナス4°と甚だ厳しい状況です。更に娘がトイレの場合は駆けつけなくてはいけません!携帯のつながる範囲で車から近くを釣るしか選択肢はありませんでした。選んだのは大石川上流域でした。薄暗いうちにウェーダーを履き、腰のベルトに愛用のカスタムナイフを付けて勇んで入渓致しましたが、物凄く寒くてダウンジャケットを持参するべきだったと後悔致しました。釣り始めると案の定ですが激シブでアタリすらございません。渇水のうえに解禁から連日釣り人に責められているので無理も有りません。
小さな浅そうな落ち込みの下に大きな岩があるポイントがございましたが、下流からは見えませんので見当を付けてヘビー級重りを取り外し、軽い重りをつけて岩前に漂わせる作戦で振り込みました。しばらくして引ったくるアタリが竿に伝わって良型が釣れてまいりました。その後も20cm以下のリリースサイズとは言え同じポイントで6匹も出ました。一体どんなポイントだったのか上に回って確認しているのが上の写真です。意外と浅くて驚いているところです。
その後はリリースサイズのみでしたが分流に良さそうな落ち込みございました。
岩の手前に餌を投入したところ、小気味良いアタリで美味しそうなイワナが出てくれました。山神様に今日も有難うございますと御挨拶致しました。
その後はボツボツ釣れて自己制限引数まで達し、本日は終了です!
ノカンゾウもお土産にする為に摘み取り、魚の処理を済ませ、娘と車中でお弁当を喉に詰まらせながら食べてから更科に向かいました。更科の実家では母親がお昼ご飯を用意してくれており、久しぶりな3人で食卓を囲みました。何歳になっても母の味は美味しくて昼間からビールもかなり進み、その後は夕方まで寝てしまいました。
私と娘は座敷で寝るのですが亡き父が観世流能楽師範であった為に能楽に関する色々な物がごさいます。其の一つはコレです。
謡曲十徳というものです。
能の台本だけを謡う事を謡と書いて『うたい』と言います。謡をするだけで得られる10箇条の徳と言う意味です。意味は次の通りです。
不行而知名所 行かずして名所を知り
無薬而散欝気 薬なくして欝気を散ず
在旅而得知音 旅に在りては知音を得る
不習而識歌道 習わずして歌道を識り
不望而交高位 望まずして高位に交じる
不詠而望花月 詠せずして花月を望む
不老而知古事 老いずして故事を知り
不触而知仏道 触れずして仏道を知り
無友而慰閉居 友無くして閉居を慰め
不恋而懐美人 恋せずして美人を懐き
更科の母は美人画が好きで床の間には色々な美人画を掛けて楽しんでおります。
キリが無いのでこの辺りで終わりに致しますが、年老いた母が殊の外元気で安心致しました。郷里の空気と母の手料理を食べて元気100倍と成り、月曜日からの仕事が頑張れそうです。