みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

千曲川 イワナ釣り 渇水の巻

本日の入渓地点は標高1200m程ございますが、残雪の量は先週とは比べ物にならないくらい減っている感じです。
f:id:rcenci:20210313110420j:plain

朝方の気温は0°でしたが入渓路の距離と起伏がキツイせいで汗ばみます。山の中で雪が溶けている場所の岩には苔が所々顔を出しており、モノトーンの世界でポツンと露出している緑は綺麗に感じます。

待ってたよーと声が聞こえてくる様です。
f:id:rcenci:20210313110434j:plain

拡大するとこんな感じです。
f:id:rcenci:20210313110454j:plain

本日は有給休暇強制消化の為に会社を休ませて頂きウィークデイの釣行となりました。まとまった春の雨が降ってないので渇水による食いの悪さが思いやられますが、釣れれば春一番の綺麗なイワナがタモに収まる時期です。目的の川は国道141号沿いの市場坂を降りた辺りで本流に流れ込んでいる杣添川です。来る時は真っ暗で見えませんが、此の時期の冠雪した八ヶ岳は本当に荘厳で神々しく綺麗です。八ヶ岳には面白い昔話がごさいますので最後に閑話休題として御紹介致します。

上がったり下がったりする入渓路と宿木(ヤドリキ)の林を走破して目的のポイントに着きました。先週はもう少し上に入渓致しましたので、本日は少し下に入りました。パッと見たところ水は少なく難かしい釣りになりそうでした。最初に竿を出した場所は落ち込みの下に大岩が配されたポイントです! 餌を投入すると意外と水深が有り、一投めから高速でひったくるアタリが出て美味しそうな天然イワナが竿を絞りタモに収まりました。まだ雪が残る標高の高い場所で隅っこの流れの無いところは薄氷もはっておりますが、水の中は既に活性化している事に毎年の事ながら驚かされます。

f:id:rcenci:20210313110607j:plain

先週あれ程釣れたシシャモサイズイワナ君達は今日は釣れないのが不思議でした。有り難い事に次から次へと良型が竿を絞ります。
f:id:rcenci:20210313110629j:plain
f:id:rcenci:20210313110649j:plain
天然魚のお腹の色は鮮烈です。
f:id:rcenci:20210313110712j:plain

あっと言う間に自己規定匹数に達したので遡行距離感30〜40mですが納竿致しました。
f:id:rcenci:20210313110750j:plain
まだ釣れそうで後ろ髪引かれる思いでしたが、己が決めた事は決めた事ですので川から上がりました。改めて良型を釣らせて頂いて千曲川竜神様に手を合わせて御礼申し上げた次第です。明日は雨の予報でありますので、我が師匠の言葉を借りると『イワナ起こしの雨』と成ってくれれば有り難いなと考えながら険しい退渓路に向かいました。



閑話休題  地元に伝わる昔話
大昔の話ですが八ケ岳が活火山の頃のお話です。その頃は富士山も活火山で煙をはいておりました。富士山の神様は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)と言い、八ケ岳の神様は磐長姫(いわながひめ)と言います。2人の神様は互いに一番背が高いと言っておりました。そんなある日の事ですが富士山の神様が八ケ岳の神様に向かい『わたしのほうがあなたより高いのよ』と言い八ケ岳の神様は『わたしのほうが高いわよ』と口論に成り、やがては喧嘩に成ってしまいました。 それを見かねていた如来様が喧嘩をいいかげんやめさせようと思い『水裁判をしてやろう』との事になり、八ケ岳の峰から富士山の峰まで長い樋を掛けて、そこに水を流したそうです。 すると、水は八ケ岳から富士山へと流れて八ケ岳のほうが高いという事に決まったのです。 ところがプライドの高い富士山の神様はこの結果にはどうしても承知ができなく、怒ってしまって思わず八ケ岳を蹴飛ばしてしまいました。 すると天地も揺らぐほどに大音響と共に八ケ岳は8つに裂けてしまいました。其の事で八ケ岳は現在の形となり、富士山よりも低くなってしまったのでした。
                     終わり

通説での木花咲耶姫と磐長姫
古事記には木花咲耶姫は磐長姫の妹であり姉思いだった印象があります。2人とも大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘で天孫降臨で有名な瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に2人とも嫁入り致しました。瓊瓊杵尊は美しい木花咲耶姫のみを迎え、醜い磐長姫を大山積見神の元に帰したとされております。大山津見神は怒り、木花咲耶姫と一緒に磐長姫を差し上げたのは天孫が岩のように永遠のものとなる為である。木花咲耶姫を差し上げたのは天孫が花のように繁栄するようにと誓約(ウケイ)を立てたからであることを伝え、磐長姫を送り返したことで天孫の寿命が人間と同じで短くなるだろうと告げたとされております。現在磐長姫は日本の多くの山の守り神とされております。長野県で言うと天明3年に大噴火した浅間山もそうです。不思議な事にマタギの間で山神様は醜女とされておりますのも何かの繋がりがあるのでしょうか? 話は戻りますが木花咲耶姫は海幸彦と山幸彦を産み海幸彦と海神の娘である豊玉姫が結婚し、豊玉姫ウガヤフキアエズノミコトを産み、ウガヤフキアエズノミコトの子供が神武天皇です。因みに山幸彦は海幸彦を助けて隼人族の始祖となったと伝わります。