みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

郷里の釣友からの連絡

竜神
f:id:rcenci:20200306141949j:plain

千曲川は文字通り千回も曲がる川ですので、洪水の歴史は有史以来頻繁にございます。分かりやすい例ですと江戸時代の記録に残されているだけで64回も有り、かなりの暴れ川です。中でも江戸時代の寛保2年(1742年)の大出水は『戌の満水』と呼ばれ、最大で10m以上の水が押し寄せて来たと記録されております。そんな理由で流域には水の神様を祀る神社が多いと感じます。郷里である更科にも武水分神社八幡宮が有り、タケミズワケノオオカミをお祀りしております。

昨年の台風で浸水した松城城下の様子f:id:rcenci:20200306142004j:plain

私の竹馬の友で信濃に暮らす俳句好きな釣友(大先輩)から解禁の報告と共に短歌がメールで送られてまいりましたのでご披露致します。短歌とは5.7.5.7.7の五句体で詠むものとの事です。門外漢の私は便りが来る度に意味を聞いたりしておりましたが、今回ばかりは古語が使われていないので理解出来ました。

千曲川 龍の爪痕残りしも せせらぎ光る 弥生の水面』        
                
龍とは竜神と事だと推察致します。つまり荒狂った川の神様の爪痕が未だ大きく残るが、年が明けて今年3月の千曲川は水面がキラキラ光って美しく、昨年の荒れ狂った姿とは全く異なり、その美しさが逆に無情であるという意味。またもう少し掘り下げると尊い命や大事な家屋を台風で失った方々や家族を思うと自然の恐ろしさを噛みしめていると言う意味も込められている内容であると推察致します。昨年の台風が夢のようで被害も夢だと良いのですが、実際は違います。実家が浸水し取り壊すと決まり、年老いた母を引き取って生活している渓友が、やるせない気持ちのまま川面を見詰める気持ちが伝わってまいります。