みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

千曲川 山菜採りとイワナ釣り

もうかれこれ30年以上継続している過去の釣行日記から、釣り場とする標高の高い山でのコゴミゼンマイについて、今週くらいが一番良い時期ではないかと思って弁当持参で長女と出かけました。

コゴミが採れる場所は幾つか心当たりが有りますが、場所によって山によって香気が全然違います。朝だけ釣りをし、その後で山菜採りを行なう段取りです。山は疲れた茶色から黄緑色に装いを変え、正に風薫る5月の素晴らしい日和でした。

向かったのは今や釣り人がまだらの川上村内の支流である黒沢川です。未だに2019年10月の台風19号の爪痕が酷い状態でした。今日は家族3人のイワナが釣れれば僥倖でしたが、同じポイントで3匹釣れてしまいましたので少々物足りなさを感じながらもコゴミ採りに切り換えました!

23cm〜26cm
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此のポイントです。
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コゴミが自生している場所に行ってみると所々にコゴミが出てました!

こんな感じで自生してます。
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渓友と娘と私で良い物だけ採り、濡れ新聞紙に包んでクーラーに収めて終了です。山菜採りは『財産区』以外で採らないと地元の方とトラブルになる事が有りますので国有林か渓の傍に自生しているモノを採る様にしております。過去にどう考えても理不尽な申しようでカチンと来た事も有りますが、地元民にとって我々は他所者なので遊ばせて頂くと言う心構えが大事だと父から教えて貰いました。

コゴミのマヨ醤油鰹節かけです。
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本日の夕飯はイワナの塩焼きとコゴミです。固茹でのコゴミを口に入れると山の香気が口の中に広がって鼻腔を通り抜け、お酒が進んで困りました。ウドが終わって暫くすると梅雨に入り、渓は後半戦になりますのでアレコレ考えるのもまた楽しみですね。

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木曽川 イワナ アマゴ釣り

ゴーデンウィークは昨今の事情により帰郷はせず町田の家に残る事と致しました。後半の連休を家で過ごすとして土曜日だけは木曽に向かいました。もちろんですが道中は何処のサービスエリアにも寄らず、食事は弁当と水筒持参です。もう既に休みが始まっておりますので場荒れは否めませんが、木曽は沢山の支流がございます。

今日は型は別として以前から一度やってみたかった小河川に向かいました。名前は無佐澤川と言う不思議な名前の川です。原野駅奥の本流に注ぐ支流であり、国道の上で有名な『旗挙そば 源氏』さんの横を流れます。私はヒラタを採取したり、釣った魚の処理をしたり御世話になっている川でもあります。秋口には本流から結構な大物も遡上してまいります。因みにこの川で38cmの大アマゴを釣り上げた事が過去にございますか、その時は川に飛び降りました!

村道に架かる橋に川の名前がございます。
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村道から原野駅へ向かう道路に入り、駅の駐車場に駐車致します。原野駅を右手に見て陸橋を渡り、八幡様の前を左に降りて畦道を進み、本流合流点に出ました。提灯釣りの極みの様な短い仕掛けで挑みます。釣り始めると予想はしておりましたが、小物のオンパレードです!たまに20cm〜25cmクラスが顔を出します。割と早く自己制限匹数まで達し、餌も無くなってしまったので毛針で釣ると、此方も好反応で楽しませて貰いました。携帯を車に忘れてしまい渓相を写せなかったのが残念です。

本日も家族で食べるだけ頂きました。
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毛針の反応が良かったので、他の川も反応を視る為に試してみました。あまり人が入らない様な川を考えて選んだのは砂ケ瀬川です。此方の川は知らない人が向かうと入渓点がまず分からない川ですが、一番下の橋を渡った所の左側の斜面に割と楽に川まで降りられる踏跡がございます。梅雨の時期と秋の遡上期には尺上も多く遡る有望河川です。道路をずっと登ってから降ったらところにも沢があって天然魚が多く釣れる沢がございますが本日は行きませんでした。

渓友の勇姿です!
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タラの芽などの山菜も多く自生しておりますが、すぐ上は畑や田んぼなので見るだけにしております。此方も反応抜群で渓友の竿も次々と曲がっておりました。この川の注意点としては退渓点を逃しますと、かなり上の橋まで行かなくてはならなくなる事です。

ヤマブキが咲いて彩を添えてます。
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釣り終えて渓友とお昼ご飯を食べる場所に向かいました。菅川沿いに花桃の綺麗な場所が有り、お弁当を頂きながらお花見をさせて頂きました。
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ポイントというポイントには釣り人が居り、木曽川のファンの多さには改めて驚きました。皆さんが良い魚が釣れるように木曽川竜神さまにお祈りして車中での仮眠に入りました。
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怖い産業医命令と日曜日の釣り

3月に受けた人間ドックの結果を人事部に常駐する産業医に送ったところ『大腸内視鏡検査』を受けるように指示された封筒が社内代行便で私のところまで送られてまいりました。うちの産業医の先生は綺麗な女性の先生ですが、問答無用で就業規制を掛けてまいります。つまり就業規制が掛かると強制的に仕事の時間を制限されてしまうのです!『早く帰れるぜ〜』という感じでは全く無く、課長職より下だと生活の一部になっている残業代も貰えなく成ってしまうのです。一昨年の事ですが仕事と釣りで先生の指示を半ば無視ていたら『束ねる立場の人が其れでは困ります〜〜!』とキツイお叱りを受けた事があります。その時は先生の仰る事が余りにも尤も過ぎてグ〜の音も出ませんでした。今回も結果報告の期限が迫り、釣りに行きたい気持ちを抑えに抑えて渋々ですが12年前に同様の検査でお世話になった専門病院に向かいました。
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もう2度と受けなくないと思った大腸検査を再度行う事に対しての嫌気は別として、この病院は先生は勿論ですが看護婦さんや受付の人に至るまで全ての役職員が親切な対応をしてくださる専門医です。診察を終えて検査の日取りが決まり、下剤ワンセットを両手で拝領し、病院を後に致しました。父は64才の時に大腸癌が見つかって67才でこの世を去り、大好きだった蓼科町の叔父ちゃんは膵臓癌で此の世を去り、妻は乳癌で早逝致しましたので私も不治の病に何時成っても不思議ではございません。自分なりに精一杯今迄生きたので個人的には悔いは有りません。しかし更科の母と静岡の妹の事、其れと我が娘2人の先行きを思うと心配過ぎて今は死ぬわ訳にはまいりません。また従兄弟の中でも父方と母方の両家系とも長兄が亡くなってしまったので両家系ともに従兄弟惣領である事などを思うと、皆に力に成ってやる事なく此処で無責任にサヨナラ〜では世話になった叔父と叔母に義理が立ちません!本当に嫌な検査ですが観念して受ける事に致しました。

買い物やクリーニング店通いを済ませて女2人の昼ご飯を作り、3人で食卓を囲んでから釣りの支度に入りました。真冬と違って大分荷物が減りましたが、釣り道具一式は結構な荷物量であると改めて思います。仮眠を取って夕ご飯を家族で済ました後に渓友との待ち合わせ場所に向かいました。

朝5時半に身支度を済ませて何時ものポイントに入りました。水は少し少なめですが最初から良いイワナが釣れてまいりました。

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ウデが悪くバラシ連発ですが、針掛かりすると8寸くらいで結構良い引きを致します。

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川の中洲に何処から流れて来たのか綺麗な花がポツンと咲いておりました。
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本日も家族で食べる分だけ山の恵みを頂きました。
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渓友が見事な尺イワナを釣りました。一部始終見ておりましたが、竿が満月の様に曲がってラインブレイク寸前でしたが、流石の竿捌きで無事取り込みを成功させました。この川では自己最高記録との事!
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まだ時期が早く感じますが、コゴミも出ております!
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帰りに早生(ワセ)の山ウドが出る場所にまいりましたらニョキっと顔を出しておりました。まだ小さくて少し気が引けますが、天ぷら一回分を取らせて頂きました。
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山がやっと黄緑色になり花々も咲いて良い季節になってまいりました。本日も山の神と川の竜神様に感謝して帰路につきました。
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木曽川 イワナ アマゴ釣り 今期初

やっと今年始めての木曽川釣行の日を向かえました。現在私は家事一般を担当しており、木曽よりは距離的に近い千曲川流域の方が時間的に余裕が出来ますので春先は集中的に通っておりました。娘達にも寒い時期には免疫力が落ちない様に工夫した手料理を休日くらいは作ってあげようと考えていたからです。しかし最近だいぶ温かくなって来たので、寒い時ほど免疫力が落ちないだろうと勝手に考え、遠出を決意致しました。週末のクリーニング屋さんと一週間分の食料品買い出しは日曜日にまとめて行う事として、前もって土曜日に娘達が食べる物を作り、自分のお弁当も朝と昼の2つ作って出発致しました。

先週末に家の牡丹が咲きました!
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昨年の木曽は9月の本流釣りが非常に厳しい環境でした。昨年7月初旬の出水の影響が本年も気になりますが、温かく成ったので本流の瀬に綺麗な魚が少しでも出ている事を期待して車を走らせました。同時に神気溢れる氏神様への参拝も昨年の御礼の気持ちも込めて行いたいと考えておりました。

温かく成ったと言っても季節は春なので0.4号のライン張ってスタートです。昨夜から雨模様ですが気温は千曲川流域と比べて格段に温かく感じます。入ったのは得意の吉田洞門横の本流です。ひと流し...ふた流し...三...四...ん?....ポイント毎に筋を変えて探りますが良い水量なのにアタリがまいりません。きっと水温がまだ低くて速い流れでは餌が上手く取れないと感じました。其処でポイントに対して立ち位置を上に取り、重い錘で止めてみたら早速ズシっと重いアタリが出ました。結構な引きで弱気な0.4号にしたのを後悔致しました! 下ったり上ったりした動きについて行くためにバランスを崩して何度もコケそうに成りましたが、何とか大物イワナを取り込みました。残念な事に携帯を車に置きわすれて単独の写真は撮れませんでした。イワナではなく私が暴れすぎてアタリが遠のきました。雨足が強くなってきたのと、先程のひと暴れで水を浴びてびしょ濡れ成り、2匹だけ追加してメゲてしまいました。しかし木曽初日で大物を釣らせて頂いた事を木曽川竜神様に心から感謝した次第です。
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この子は帰ったらフリッターで頂きます!塩胡椒とレモン汁で頂くと絶品でビールが進みます。アラは軽く炙ってお味噌汁に入れ、お豆腐と万能ネギで頂くと朝ご飯にピッタリです。
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晴れていたら綺麗だったと思います。
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着替えと魚の処理を済ませて昨年お世話になった神気溢れる氏神の南宮神社様に向かいました。
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駐車場に朱色の玉垣が出来てました。
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手水を使います。神紋が足利家と同じニ引両(ふたっぴきりょう)紋です。
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国歌にもある『さざれ石』には〆縄が張られておりました。
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拝殿に行くには小川が流れて、架けられている石の太鼓橋を渡ります。太鼓橋は神社によくございますが、人間が住む場所と神々が住まう場所の境界の意味があると叔父から聞きました。
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『旭の滝』は昨年と変わらず神々しい御姿です。
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砥草(トクサ)です。
f:id:rcenci:20210418054034j:plain木曽には多く自生しておりますが、千曲川流域では滅多に見れません。お付き合い有る弓矢の矢を作る職人さんが、コレが無いと最後の仕上げが出来ないと言っておりました。表面がザラザラしておりまして硬い木の表面を磨くことが出来るのです。現在で言うサンドペーパーの役割をする植物です。

神様には昨年の御礼と今シーズンの安全を祈念致しました。雨の中での参拝は空気が凛として常の雰囲気と違い神々しく感じました。参拝も済ませたので、権兵衛峠付近の駐車スペースで渓友と車を並べて食事をとりました。その後は2時間ほど車内で仮眠を取り、お目々バッチリで帰路に着きました。

千曲川 イワナ釣り 渓友と川へ

もう25年以上前に成りますが、社内で釣り好きな仲間が年代を問わず 同好の者として『集い』を形成し『〇〇渓友会』と称しました。唯一拘ったのが釣技を高める集いでは無く、あくまでも釣りの友が『集う会』であると言う事です。不思議な事に釣友だけは歳が離れていても、距離が離れていても、時が経過していても関係ございません。あっと言う間に往時の記憶が甦り、再び楽しい時間を共に過ごせます。此の釣り仲間としての感覚だけは本当に不思議ですが、とても有り難い感覚だと思います。そう言えば中国春秋時代に生きた孔子様と其の高弟達の記録を記した『論語』に『朋あり遠方より来る また楽しからずや』と確かございましたが、本当にその通りであると最近強く思うようになりました。

さて釣行の方ですが、本日も何時も通りに車中での感染を防ぐ為、3人が其々の車での釣行です。入る川は3人とも同じ川ですが、夜半に合流してからは予め決めていた区間に其々向かう流れです。本日は先週とは違い、朝方はマイナス4°とかなり冷えており、尚且つ渇水です。此処まで冷えるとイワナ君達は上を向いておりませんので困りました! 

暖かかった先週には無かった光景です。
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水中に有る岩の隙間に餌を入れます。場所によっては岩の前で仕掛けを止めた方が良い場合もございます。
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狙い通り岩の隙間で良型が餌を食べてくれました。
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規模こそ違いますが同じ様なポイントで釣れてまいります。
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天然魚のお腹の黄色は何度見ても神秘的だと思います。
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思ったより魚の活性は高く、本日は20mで自己制限引数まで達してしまい、大分早いのですがノカンゾウ取りに向かいました。


コレだけあればお味噌汁、酢味噌和えなど色々な料理に使えます(クセガナクオイシイノデス)。本日も千曲川竜神様に手を合わせて感謝した次第です。
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大石川上流の標高1200mの山岳渓流でも木の枝に少しだけ新芽が出てまいりました。あと数週間で信州の山々は小学生が美術で使うプラスティックのパレットに緑と黄色とピンクと白の絵の具を混ぜた様な何とも言えない淡い美しい景色となります。ホームグランドである河川も一面に花が咲いて、正に風薫る中での渓流釣りとなります。
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塩焼き2匹、ムニエルを家族ぶん3匹の合計5匹の山の恵みを頂きました。日曜日の朝ご飯と私の晩酌の肴に成ります。 
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本日は贅沢にイワナの骨酒を頂いてみようと思います。今思うと20代の頃、沢山お酒を飲める様に一番大きい骨酒用徳利を買った事が、己の事ながらお笑いぐさです。
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千曲川 イワナ釣り 春の渇水と奥の手

先週くらいから春の渇水の影響が顕著に成ってまいりました。シーズンを通して此の状態は一番釣り難い時期では有りますが、天然のイワナを育む種沢の初心いイワナを釣るのも少々気が引けますので、ある程度水量のある支流の竿抜けを狙うしかございません。木曽だと本流の深みなどが狙い目に成るのですが、千曲川は一昨年の大水の影響で本流が絶賛工事中なのです(友人の話だと木曽の笹川も絶賛工事中との事)。釣り師の立場で思うと無惨に川底を掘り返されている姿は残念過ぎる有様ですが、昨年の春に川上村の男橋が壊れて無残な姿をしていた事などを思うと、地元の方にとっては生活に直接影響する河川改修工事なので複雑な心境です。(川上村の男橋の壊れている写真は2020年3月21日の記事参照です)

川に降りてみると石の裏に小さな羽虫が沢山飛んでおりました。大分前の話ですが、このような時期に木曽の熊沢川下流部で羽虫を盛んに食べる良形アマゴを大量に釣り上げた事を思い出しました。其処で本日は羽虫が湧いてる周辺で良型が上を向いて潜んでいる可能性が強いと思い、其の様なポイントを釣ってみようと思いました。しかし此の釣り方は通常以上にアプローチに細心の注意を払う事と振り込み時の着水音に気をつけないとダメなので仕掛けは錘無しです。今日はテンカラ針を持参して無かったので通常通りの餌釣りです。

早速お誂え向きのトロ瀬が出てまいりました。羽虫がワンサカ飛んでます! こういう時もあるかとベストに入れていたテンカラテーパーラインを切り詰めた物にハリスを連結して錘なしの餌をソフトランディングさせました。間髪入れず何処からともなく黒い影が突進して来て手元にガツンと来ました。通常と違って此のシチュエーションだと引きが強烈です。愛竿をさ思いっきり曲げて取り込んだのは28cmの太い天然イワナでした。

春先なのにお腹パンパンです。
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普段ならチビしか居ない場所です。
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小さな落ち込みに羽虫が乱舞しております。
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写真では映らないので、羽虫の大飛翔をお伝え出来ないのが残念です。ポトっと餌を落とすと先程より手応えは劣りますが雄のイワナが釣れてまいりました。続け様に釣れてまいりますが、不思議に良型が揃います。

魚体が全体的に白っぽいという事は穴の奥深くに居たのでしょう。
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虫が沢山食べられる時に出て来たと思われます。
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作戦が功を奏し、自己制限引き数まで達したので残りの餌を川に流して竿を仕舞いました。春先の山は空気が澄み、小鳥が囀り、鹿がピーっと挨拶してくれたりして本当に気持ちが良くて時間が経つのを忘れます。

東京は桜が散っているのに此方はやっとタンポポです。
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高速道路の帰り道に勝沼を通ると桃の花が満開です。塩山市に住む身内より毎年桃を送って貰いますが、辺り一面にピンク色の花が絨毯の様に咲き乱れる光景は魔法使いが杖を振った様なメルヘンの世界でした。

そう言えば桃だけは唯一神の名前を持つ魔除けの果物です。こっちの話をすると長くなるのを理解しておりますがご紹介致します。以前に私が池袋支店に勤務していた時に仕事で川越に行きました。近くに川越八幡宮が鎮座されておりましたので参拝致しました。参拝を済ませて神域を散策したところ石で彫られた桃を祀った『桃神さま』を発見致しました。古事記で桃に神の名前が付けられるシーンは知ってましたが、実際にお祀りされているのは此の時始めて見ました。桃の神名は大神実命(おおかむづみのみこと)と言います。イザナギが死んだイザナミを迎えに黄泉の国に行き、見るなと言われたイザナミを見てしまい、其れを知ったイザナミが怒り狂い、雷神や黄泉醜女(よもつしこめ)を引き連れてイザナギを追いました。常世と黄泉の境にある黄泉比良坂まで来てイザナギは最後の手段で桃の実を投げつけました。するとたちまち黄泉の軍隊は桃の降魔の力を恐れをなして撤退致しました。そこでイザナギは桃に対して大神実生命と言う名前を授けたのです。実際に奈良県桜井市にある三輪山の北西麓一帯にある纒向遺跡(まきむくいせき)では多くの桃の種が見つかっております。甲府盆地は3つのプレート(ユーラシアプレート、北アメリカプレート、フィリピン海プレート)がせめぎ合う稀有な場所であり、三つの沈み込む巨大プレートの底に潜む地龍を鎮める為に神の果物を植えているのかは分かりませんが偶然にしては余りにも状況に合致致します。桃と日本人は太古から結び付きが強いと感じますね。子供の頃から飲んでる美味しい不二家さんのビーチネクターは降魔の力があるのかな〜?と1人で考えながら笑っている日曜日の午前中でした。
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千曲川 イワナ釣り 長女と更科へ帰郷

お正月とお彼岸に実家への帰省は時節柄止めておいたのですが、思う処有って今週は墓参りも兼ねて更科へ帰省する事に致しました。もちろんですが途中で須玉インターで降り、国道141号線を北上して何時もの釣り場でお土産用のイワナを釣って帰る事と致しました。今回は社会人一年目の娘と一緒です。金曜日の夜に出発する事について私は慣れっこですが娘は一週間の仕事を終えてから寝ないで出発致しましたので疲れて車中で大爆睡しております。考えてみると我が職場の一年社員が1日中動きまくっている姿を見ると、同世代の娘が金曜日の夜半にはクタクタになっても無理は有りません。敢えて私と同じ営業職を選ばなくても他に何か...と思いましたが、亡き妻も私も営業職なので娘も感化されたのでしょうか、無理せずに目立たなくとも真摯に取り組んで頑張ってほしいと願っている次第です(ヨケイナハナシデシタ)。

話は本題に戻りますが渓流釣りの条件として本日は雨が降っておらず超渇水でオマケに朝方はマイナス4°と甚だ厳しい状況です。更に娘がトイレの場合は駆けつけなくてはいけません!携帯のつながる範囲で車から近くを釣るしか選択肢はありませんでした。選んだのは大石川上流域でした。薄暗いうちにウェーダーを履き、腰のベルトに愛用のカスタムナイフを付けて勇んで入渓致しましたが、物凄く寒くてダウンジャケットを持参するべきだったと後悔致しました。釣り始めると案の定ですが激シブでアタリすらございません。渇水のうえに解禁から連日釣り人に責められているので無理も有りません。
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小さな浅そうな落ち込みの下に大きな岩があるポイントがございましたが、下流からは見えませんので見当を付けてヘビー級重りを取り外し、軽い重りをつけて岩前に漂わせる作戦で振り込みました。しばらくして引ったくるアタリが竿に伝わって良型が釣れてまいりました。その後も20cm以下のリリースサイズとは言え同じポイントで6匹も出ました。一体どんなポイントだったのか上に回って確認しているのが上の写真です。意外と浅くて驚いているところです。
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その後はリリースサイズのみでしたが分流に良さそうな落ち込みございました。
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岩の手前に餌を投入したところ、小気味良いアタリで美味しそうなイワナが出てくれました。山神様に今日も有難うございますと御挨拶致しました。
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その後はボツボツ釣れて自己制限引数まで達し、本日は終了です!
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ノカンゾウもお土産にする為に摘み取り、魚の処理を済ませ、娘と車中でお弁当を喉に詰まらせながら食べてから更科に向かいました。更科の実家では母親がお昼ご飯を用意してくれており、久しぶりな3人で食卓を囲みました。何歳になっても母の味は美味しくて昼間からビールもかなり進み、その後は夕方まで寝てしまいました。

私と娘は座敷で寝るのですが亡き父が観世流能楽師範であった為に能楽に関する色々な物がごさいます。其の一つはコレです。

謡曲十徳というものです。
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能の台本だけを謡う事を謡と書いて『うたい』と言います。謡をするだけで得られる10箇条の徳と言う意味です。意味は次の通りです。

不行而知名所  行かずして名所を知り
無薬而散欝気  薬なくして欝気を散ず
在旅而得知音  旅に在りては知音を得る
不習而識歌道  習わずして歌道を識り
不望而交高位  望まずして高位に交じる
不詠而望花月  詠せずして花月を望む
不老而知古事  老いずして故事を知り
不触而知仏道  触れずして仏道を知り
無友而慰閉居  友無くして閉居を慰め
不恋而懐美人  恋せずして美人を懐き

更科の母は美人画が好きで床の間には色々な美人画を掛けて楽しんでおります。
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キリが無いのでこの辺りで終わりに致しますが、年老いた母が殊の外元気で安心致しました。郷里の空気と母の手料理を食べて元気100倍と成り、月曜日からの仕事が頑張れそうです。