みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

木曽川 イワナとアマゴ釣り 梅雨明け

連日猛暑が続いております。此の時期の釣りは朝方のマズメ時か標高の高いポイントでの釣りになります。今週は急に更科の母の事が気になりまして帰郷する事になり、其のついでに立ち寄りました。

道の駅に朝顔の花が今も盛りに咲いておりました。朝顔の花の紫がかる透き通る青は何時見ても癒されますね。
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今日は吉田洞門横の本流に入りました。此のポイントは川に降りても、護岸の上からも狙える貴重なポイントです。『ズクなし』(注1)の私は楽チンな長靴の釣りです。ただ水面の上から釣ると下流部は魚に丸見えなので釣れません。長竿を使い軽い錘で必ず自分より上流に振り込む必要が有ります。

此の時期の第一投は一番の大物チャンスですから慎重に振り込んでみると、思っていた位置で浮玉目印を吹っ飛ばす派手なアタリと共に28cmの太いアマゴが釣れました。
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此の深瀬では数が出ました。餌は黒川虫さんなので他の川虫より重く、錘は4号をメインに使いました。羽虫が湧きやすい此の時期はイメージ的に底では無く中層の釣りです。
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此の上にはメインポイントの堰堤が有りますので勇んで釣り上がったのですが、何と先行者がおりました。見たところ若いルアーマンです。渓流釣りでは先行者を追い抜いてはいけない鉄の掟が有ります。仕方ないので撤退致しました。

実釣距離はたった200mですが、此処での釣果です。
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今度は仲間と合流し支流の上流部に入りました。水量が減っているので遡行が楽チンです。此処でも此の川らしいイワナが微笑んでくれました。

綺麗なイワナが釣れて先輩もご機嫌です。此の時期の上流部は涼しくて帰りたくなくなるのが辛いところなのです。
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結構型の良いサイズです。
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クーラーの上で失礼致しますが、此処のイワナは本流とは異なり、とってもワイルドです。
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暑いのと前夜寝ていない事も有り、8時30分にはグッタリして釣りを終えました。先輩方が道の駅木曽福島の朝ご飯を食べた事がないとの事でしたので、お腹も減ったし向かう事に致しました。此処の道の駅からの見晴らしは最高です。また販売している地元味噌も絶品でして、うちの会の名誉会長は何時も購入しております。

ちょっと欲張り過ぎました!
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2人の先輩方も満足されてらっしゃいました。
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帰りには何時もの南宮神社に参詣し、身を清めて更科への帰路につきました。

空には美しい吉兆を呼ぶ『彩雲』が見えます。実に有難い事です。
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注釈

『ずくなし』とは信州の方言です。実は此の方言は当てはまる類語が無いのですが深い意味があるのです。私のブログの名前にも有る『みすゞかる』とは信濃の枕詞となります。湿地の葦の根元に水際を浮遊する鉄バクテリアが付着し、其れを葦ごと刈り取り、根元に付着した鉄の部分だけ集めている事を現しております。此の付着した鉄を渇鉄鋼と言いますが、分かり易く言うと天然の錆です。長くなるので途中は省きますが、此れを熱して鉄を造る過程で溶けやすい鉄分の多い鉄が先に溶け出し、此の鉄分の多い鉄を銑(ズク)と言います。此の銑は本来造りたい鉧(ケラ)と混ざれば不純物が多過ぎますので、土の炉に穴を開けて外に出します。実際に粘度が薄くサラサラと流れ出します。此処まで葦の刈り込みから本当に大変な労力を使うのです。銑が流れ出せば鉧は概ね完成しているイメージなのです。

従って本文中の『ずくなし』と言う信州の方言は『大変だから其の事に向かう事に躊躇してしまう』のような微妙な意味合いなのです。因みに信州諏訪地方では縄文時代から渇鉄鋼による製鐵が行われておりました。