みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

今年使った刃物を研ぐ

信州千曲観光局のホームページより、姨捨にある棚田の写真です。

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私の育った更科の実家周辺は家から15mで佐野川と言う川が流れております。此の川は途中から酸性の強い土壌を流れ降る為に中流から下流部は魚が住めませんが、上流部には苔むした岩を擁する流れが有って天然イワナが住みます。家の近くの佐野川を少し下ると日本一長く、千回も曲がって流れ降る千曲川がございます。近隣には他にも大小の沢が有り、其処には沢山の魚や水棲生物、魚を狙う鳥が何時もおりました。千曲川が大水の後は稀に大きな池の様な分流も出現し、ビックリする様な大きな鯉が釣れてまいりました。その様な秘密の釣り場に辿りつくまで葦(ヨシ)の藪を鎌で薙ぎ払ったり、沢の岩魚を捌いたりする時には肥後守ナイフだったり、子供の頃より割と刃物には慣れ親しんでおりました。使っていると当然切れなく成るので必要にかられて研ぎました。従って研ぎ方を覚えるのは当然の成り行きでした。使用中に指を切ったりなどの怪我は日常茶飯であり、血止めにヨモギを噛んで傷口に当てると直ぐに血が止まり、強烈にシミたのを今でも記憶しております。そう言えば子供の頃の素朴な疑問でしたが、肥後守や鉈と比べて祖父が手入れしている刀は何故にこんなに色が違うのだろうと不思議に思ってました。勿論研ぎ師が精魂込めて研磨した刀と私が研いだ肥後守ナイフは違うのは至極当然ですが、恥ずかしながら砂鉄の色が産地で違う事、タタラで沸かした玉鋼という和鋼を刀は材料にしている事を知ったのは20代後半でした。

 
現在所有している腰鉈と斧以外の刃物の中で今年一回でも使用した物や、友人に貸して帰って来た物です。後は腰鉈二本と使用する勇気の無いラブレスのセミスキナーが有るだけです。

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秋山郷の師匠から頂いた山刀(鞘しかないので携帯に不便)や義父の弟で山仕事をやっていた叔父さんから頂いたトラックの板バネから削り出した剣鉈など様々な刃物を多く所有しておりますが、やはり和式刃物は抜群に切れますね!青紙や白紙で打たれた物などは使用していて本当に気持ちが良い切れ味です。反対に炭素鋼でも何となく弱い物も有ります。鉄に粘りが無いのか分かりませんが、中砥の段階で刃先から糸より細い棒状の刃先部分が取れて仕舞う物も有ります。炭素鋼のオピネルナイフも同じ現象になる物が有ります。同じ炭素鋼でもコールドスチールやアイトールなどのメーカーの炭素鋼ナイフは此の現象は起こりません。釣りなどに使う刃物は必要ならその都度研ぐのですが、此の時期にはメンテナンスも兼ねて使用した物を全て研ぎ直します。整形が必要なら粗砥からですが、大体は中砥からスタートです。炭素鋼に粗い砥石の砥石目が残ったら、其処から錆びますので中砥の段階で砥石目を除去した方が錆び難くなります。炭素鋼のナイフに皮シースが付いている物もございますが、皮のナメシには元々大量の塩を使いますのでシースに入れっぱなしだと錆びます。特に雨の日や朝露でシースが濡れるとテキメンです。ステンレス製の刃物はシースに入れて長期間保管するとヒルト(鍔)が変色致します。シースの形も崩れますのでシースから抜いた状態で保管をお勧め致します。良質なセラミック砥石が出回ってから研ぎ時間も少なくて済み、とても楽になりました。今はまだ昼頃ですが、今から全部研ぎます..... 研ぎ終わったら砥石の面直しです.....終わるのは夕方だと思われます。