みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

火除けのお札

我が家が代々使用している火伏せのお札をご紹介致します。実は私も今回始めて訪問させて頂いたのですが、授与して頂ける場所は信州浅野にある古刹の寶蔵院です。元々は千曲川の漁師が漁をしている時に真言が記された木片が流れ着ついて、それを祀ったのが始まりであるとの御住職の話しです。現在は曹洞宗となっておりますが元々は真言宗であったとの事でした。

信州寶蔵院の火伏せ護符f:id:rcenci:20200103082135j:plain

この火伏せのお札は効力が有って、祖母から聞いた話だと、今住んでいる家は違いますが、祖父が建てた大きな家の横に古い家が有り、その古い家が火事になった時の事。炎が竜巻となっていたとの祖母の話なので現代で言う火炎旋風です。違う家にも延焼の被害をもたらせたのですが、我が家は寶蔵院の火伏せ護符が屋根の上で舞っていて被害は全く無かったとの話です。私が高校生の頃に真面目で気丈な祖母が語ってくれました。

寶蔵院本堂(ほうぞういんほんどう)f:id:rcenci:20200103082200j:plain
防火大日如来と刻まれた石塔ですf:id:rcenci:20200103082223j:plain

本堂の横に不思議な石像が並んでおります。10体の歴史を感じさせる石仏で有り、真ん中の石仏だけ大きく造られてます。横の説明書を見たら長野市の指定民俗資料の十王像であると書かれております。
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地獄の10人の王様ですf:id:rcenci:20200103082322j:plain
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十王教とは中国から来た思想ですが、中国に伝わった仏教と道教と混って出来たもので、日本には平安末期に伝わりました。有名な王では皆さんが知っている冥界のドンである閻魔大王がおります。あの世とこの世よ堺である中陰と言う場所に行くと、人が死んでから四十九日で十人の王に審判を受けるので、其の王に生前からお祈りを捧げていると、いざ自分が対面した時に救われると伝わります。三途の川の渡し賃や杖などを入れるのは此の道中を少しでも楽に辿り着ける様にと棺にいれるのです。私は10人並んでいる像は初めて慧眼致しました。

閻魔大王 Wikipediaより こんなのに出会ったら怖い処の話ではないですf:id:rcenci:20200103082425j:plain 

因みに小野篁(おののたかむら)という平安初期の公卿は、現在も京都府東山区小松町にある冥府通いの井戸から冥界に赴き、閻魔大王の補佐をしていたと伝わります。小野篁の孫の小野道風は和様書道の基礎を築いた人物で花札などに出ておりますが、柳にカエルが飛ぶ絵で有名です。

私は祖母から嘘をついたら『閻魔さまにベロ抜かれるぞ』と注意されて育った世代だけに、私も手を合わせました。