みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

『お歳とり』と『二年参り』

信濃には『お歳とり』という文化がございます。大晦日の夜は家族揃って一年で一番のご馳走を食べます。私の妻がそうだった様に不思議に感じると思いますが、元旦より豪華な食卓となるのです。翌朝の元旦は『おせち』中心とした縁起物を頂きます。お歳暮で頂いたお酒や高級ハムなど『お歳とり』に食べようと廻される事が多いので、子供の頃は不満でした。大晦日の夕方と成ったら歳神様に食事を御供えします。大量の炊きたてご飯と何故か鮭の頭が神棚に供えられ、一緒にお神酒を添えます。後は家族で『お歳とり』です。

卓の上は『お歳とり』の準備が進められてますf:id:rcenci:20200101044806j:plain

食事を終えて少し休憩し、夜23時過ぎくらいになると地域の氏神様へお参りに行きます。此の参拝の事を『二年参り』と呼んでおります。信濃の冬は冷えます! 当然外気温はマイナスですので冷蔵庫の中より寒いのです。暖かい家の中から外へ出ると特に寒く感じます。

武水別神社 大晦日の夜は特別な雰囲気ですf:id:rcenci:20200101044842j:plain

更科に居る私達の向かう先は武水別神社八幡宮です。御祭神は武水別大神(たけみくまりのおおかみ)、誉田別命(応神天皇)、息長足比売命(応神天皇の母君である神功皇后)、比咩大神(ひめおおかみ)です。此処は善光寺平で一番の八幡宮であり、遠くは平安末期に活躍した木曽義仲公が戦勝祈願を行い、戦国時代は武田信玄公など多くの武将が崇敬を寄せました。近世初頭からは松田家が神官を務めております。此の神社は今は亡き叔父が神職を務めておりました。

よく神社で見られる反り橋は地上と天井界を繋ぐ橋と伝わります 虹を現しているので丸いのですf:id:rcenci:20200101044915j:plain


鳥居を過ぎると毎年の事ですが物凄い人で、露天商のイカ焼きのいい匂いが漂います。まず摂社の高良さんにお参りするのが我が家の決まり事です。高良さんの本社は福岡県久留米市にある高良大社で祭神は高良玉垂命(こうらたまたれのみこと)です。参道に戻って毎年達磨を買う店で白達磨を買います。うちは必ず白達磨ですが、昔から決まっているみたいです。

露天商が通りに連なり賑やかですf:id:rcenci:20200101044942j:plain


余りの寒さに神社が焚火を用意してくれておりますf:id:rcenci:20200101045025j:plain

もう少しなんですが、まだお参り出来ません。寒さが身に染みます。お札を無料配布している場所も有り、参拝者には有り難い心配りです。やっとの事で順番が回り参拝を済ます事が出来ました。裏には倭武命など豪華な摂社がズラっと鎮座されておりますので一つひとつお参り致します。

後はお札と破魔矢を授与頂き、参拝終了となります。信濃の大晦日は概ねこんな感じでとても慌ただしいのです。f:id:rcenci:20200101045405j:plain

白達磨 お札 お守り 破魔矢f:id:rcenci:20200101045232j:plain   

最後に
令和元年六月よりブログを始めました。シーズン中の渓流釣り、シーズンオフは趣味である刀剣の事や神社巡りの事などを綴りました。乱筆であるが故に読み返してみると文章構成に違和感を感じる箇所が多く、今更ながら伝える事の難しさを感じる昨今です。皆様のご訪問に対して此の正良、改めて御礼申し上げます。
日本を取り巻く環境は、きな臭い話が多く、下手をすらば国家的危機が予想される令和二年ですが、皆様が平穏に過ごせる様に赤心よりお祈り致します。
        令和二年元日 於信濃国更科
                 平正良