みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

信濃に実在した仙人の話  最終回

先月半ばに仕事で鎌倉に赴きましたら、訪問先の庭園に可憐な水仙が咲いておりました。此の花は開花期間も長く長寿で有り、清楚で品格が高く、其の様子が『仙人』の様だとして『水仙』と称されたと言います。f:id:rcenci:20260301121222j:image

大天武一代記をはじめ、修那羅の石神.石仏に関する数種類の書籍、私が祖父や父の話を皮切りに、土地の古老や神職、及び寺院の御住職などから直接聞いた様々な話をノートにまとめたモノもの、特に知人からコピーして貰った『修那羅研究』と言う多くの文書は細部まで記された非常に貴重な資料でした。其れ等を元と致しまして、現在でも様々な事を学ばせて頂いております。f:id:rcenci:20260301121256j:image

ただ、実際の資料の内容には、事前に知らないと難解なものが多く有ります。其れ等を此のブログで最初から御案内致しますと、途方もなく長くなり過ぎると思い、敢えて触れずに分かりやすい内容にとどめた次第です。

最後に大天武一代記の作者である南湖峯夫先生が作中に記した文章をご案内致します。f:id:rcenci:20260301121327j:image

下の抜粋の前に先生は朝日新聞に掲載されたアイヌ民族の愛子さんと言う千里眼の持ち主の事を書いておられました。其の話の後に以下の文章が続きます。最初に読んだ時には流してしまいましたが、何回か読み重ね、歳を重ねる毎に指針となった内容になります。

以外抜粋

時代のトップをゆく大新聞の記事の中にこの連載を載せたという事は、科学万能の世の中のどこかに、それだけではケリが付かない不可思議が有り、それを無視しては通れない現象が見られると言うことだろう。

大天武の生涯に共通する現象があって、それを信じるか否かで扉の内側は異なって見えるだろう。

大天武の立場は災害や病気はそれ自体が身体に憑いたケガレだから、祈祷や霊力によってそのケガレを放逐することである。心のケガレたる者を卑しみ憎んだのも故なしとしない。そこに一切のケガレを食尽する烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)の本誓を信奉する大天武の存在があるのだろう。

豊前彦山からもたらした三巻の軌経はいずれも烏枢沙摩明王を巻頭に掲載する。心の穢れたる者は我が霊力も及ばす。祈るとも無益であると。  
            抜粋終わり

烏枢沙摩明王とは、強力な炎で一切の不浄や穢れを焼き尽くし清浄と化す明王さまです。f:id:rcenci:20260301121457j:image

文中に有る軌経(ききょう)とは、大天武が豊前彦山から持ち帰った色々な教えが書かれたモノで有り、現代で言うところの経典の様なものですが、更に具体的に儀式形態や修法の手順を記したものです。

個人的には、ニつの文章が心に残りました。一つ目の『心の穢れたる者を卑しみ憎んだのも故なしとしない』とは、相手に対して卑しみ憎むのにも其れ相応の理由があると言う意味です。推測になりますが、自らの心の疾(やま)しさから穢れを引き寄せているのでしょうか。f:id:rcenci:20260301121524j:image

更に『心の穢れたる者は我が霊力も及ばす。祈るとも無益である』と有ります。此のニつこそが大天武が信奉する烏枢沙摩明王への本誓であるとも言い切っておられます。また、この事を信じるか否かで扉の内側は異なって見えるとも仰っております。

私も他者または天からの救済が『無益な者にならない』様に心掛けようと思っておりますが、五十路半ばにして未だ自信が持てない状態で有り、扉の内側を垣間見る事など遥か遠い話に思われます。f:id:rcenci:20260301121617j:image

そんな事もあって、昨年の夏に久しぶりに安宮神社を参拝し『大天武の御霊に心に穢れを持たない事を約束してきた』次第です。

『心の穢れ』の事を恥ずかしながら、自分なりに解釈致しますと、妬みや、怒りで人間に対しては勿論ですが、自然の草木や小さな生き物などに対しても優しい気持ちで対応出来ず、全てのモノと調和を取る事が叶わない状態だろうと考えます。

つまり、其れ等は全て『我だけ良し』の心根から生れる様な気がして仕方ありません。f:id:rcenci:20260301121633j:image

生意気な事ばかり申し上げておりますが、私の場合はどうかと申しますと、『大きいイワナを沢山釣りたい....』、『出来の良い名刀を沢山持ちたい....』、『良い温泉に入ってドリフターズのビバノン音頭を歌いたい....』などと常々考えております。しかしながら、尊崇している修那羅大天武の御霊に約束したからには謹んで励みたいと思っております。

お伝えしたい事の半分も伝わらなかったかも知れません。最後までお付き合い頂き有難うございました。f:id:rcenci:20260301121655j:image