今週は身内の不幸が有り、愛知県の豊橋市に来ております。従って釣りはお休みとなりました。
去る6月30日には、日本全国の神社で行われている『夏越の大祓』を氏神さまで済ませてまいりました。この神事は大宝律令によって宮中行事として確立され、やがて神祇官を通して全国の神社に広がってまいました。
我々が簡易的に行える夏越の大祓は茅の輪くぐりに成ります。写真は故郷に鎮座する武水別神社八幡宮の茅の輪です。
茅の輪の横に説明書きが有りました。此の様に神事では必ず左右の順番が『左→右→左』になります。
お相撲さんが勝負に勝ち残り、懸賞金を受け取る時に、右手の手刀を『左→右→左』と切る事も相撲自体が神事で有り、懸賞が纏う罪穢れを祓う為なのです。
何故茅の輪をくぐるかは、牛頭天王(素戔嗚命)の伝説が基になっております。牛頭天王と蘇民将来(そみんしょうらい)、巨旦将来(こたんしょうらい)兄弟を巡る伝説ですが、長くなるので此の場では省かせて頂きます。
私が以前勤務していた三重県松阪市のお客様宅には必ず玄関に此れが有りました。牛頭天王(疫神)が唯一助けた一蘇民将来一族の子孫と揮毫されております。
前にも紹介致しましたが、蘇民将来の護符には此のような種類も有ります。此れは我が家の玄関に有る蘇民将来符になります。
また、牛頭天王は祇園精舎の守り神でもあります。京都八坂神社で行われる祇園祭りでは、『山鉾』が有名ですが、『山鉾』自体が疫神を鎮めるための依り代なのです。
さて、茅の輪くぐりで祓われた『禍事・罪・穢』は一体何処に行くのでしょうか。実は八百万の神々の中に、此の禍事・罪・穢を処理する神々がおみえになるのです。其の神々は祓戸四柱と言います。
祓戸四柱は大祓詞(おおはらえことば)に登場する神さまとなります。古事記や日本書紀では無く、『ホツマツタエ』と言うヲシテ文字(古代文字)で書かれた文献に記されているのです。其れだけ古いと言う事だと思います。以下が場祓戸四神のご神号と其の役割です。
瀬織津比売(セオリツヒメ)です。川の流れのように罪や穢れを海へと流し去る神さまです。写真は持田大輔画伯の素晴らしい瀬織津比売像です。
速開都比売(ハヤアキツヒメ)です。海の底で罪や穢れを飲み込み、封じ込める神さまです。同じく持田大輔画伯の作品です。
気吹戸主(イブキドヌシ)です。風や息吹の神さまとなります。瀬織津比売と速開都比売が受け取った罪や穢れを、さらに地底の奥深くへと吹き送る神さまです。此方も持田画伯の作品です。
速佐須良比売(ハヤサスラヒメ)です。罪や穢れを根源から断ち切り、根の国に持ち込まれた禍事・罪・穢れをさすらって失わせます。持田画伯の描く神々は、何れも私のイメージとピッタリなのです。
『穢れ』とは、理解し難い時思いますが、例をあげてご案内させて頂きます。例えば燃えないゴミに捨てられていた汚物の付着したマグカップを綺麗に除菌洗浄し、暑い日に其処に冷たいお水を入れたものを飲むと致します。如何でしょう、洗浄したのにも関わらず、其の水は不潔に感じると思います。其の感覚が『穢れ』を感じている事になります。
現代の女性には無礼な話ですが、古来から三大不浄と言われているものとして『死』『出産』『月経』がございます。
話は戻りますが、6月30日に夏越し大祓を行ってない方は、是非とも最寄りの神社への参拝をおすすめ致します。
由緒正しい神社には、拝殿迄の道すがらの何れかに左から右へ流れる小川が有ります。本来は流水で心身を洗い清めて神前に傅くものなのですが、左から右に流れる小川を渡る事で、身についた罪穢れを瀬織津比売に川に流して貰うのです。
また、入り口には手水舎が有りますが、手を洗う事で禊(みそぎ)の意味がございます。其の意味で雨の日の参拝は最高のタイミングなのです。
また、拝殿に設置されている大きな鈴を鳴らす事で『鈴の祓い』になり、更に参拝時に大きく柏手を打つ事で身の回りの邪気を祓う浄化作用が有るのです。
我が家は元々神官の家系だけに、何だか押し付けがましい様になってしまい、大変失礼致しましたが、大宝律令以来1,300年以上、もしくは約4000年以上前の多くの縄文遺跡から祭祀に関する遺物が発掘されている事から思うと、恐らくは古来からの日本人の生き方だとも思う次第なのです。
