みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

自爆の代償

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5月2日のブログで無佐澤川で釣り上げた大アマゴの事を書きましたが、此のアマゴはよく考えてみたら剥製にしておりました。此の写真は14年前の9月21日に無佐澤川の本流合流点から2つ目の落ち込みで釣り上げたアマゴの剥製です。剥製を入れた段ボール箱は物置に沢山しまっておりますが、片っ端から開けてやっと見つけました。銀化の肌に婚姻色が出た綺麗な魚体でした。貧乏サラリーマンである私の家は物置が狭いのに剥製は嵩張りますので最近は製作依頼をなるべく控えております。

話は本題に戻りますが、先週土曜日は29年来のお付き合いである渓友会の大先輩に家から40分の桂川支流の鶴川を案内して貰いました。ところが此の日は色々な意味で運の無い日と成ってしまい、今週は釣りに行けない事に成りました。全て私の不注意が招いた凶事であります。仕方なく家で仕掛け作りと家事に専念しております。お恥ずかしながら其の凶事を綴ろうと思いました。

※第一の凶事
今回は集合場所が何時もの180Km先では無く、家から40分の上野原でした。高速代をケチるつもりで大垂峠を通ったのが運の尽きだったと思われます。峠に入ると急に1時間ほど仮眠を取ったのにも関わらず睡魔に襲われ、直ぐに耐えられない偏頭痛が襲ってまいりました。目眩がするくらいな痛みに堪り兼ねて小さい回避スペースに入ろうとしたら鉄製のボールに左のドアを思いっきり擦ってしまいました。20年前に林道で草むらに有った石に気が付かず擦って以来の運転ミスでした。傷ついた車は今週火曜日に保険会社を通して修理工場に運んで貰い、帰って来るまで釣りには行けない事と成ったのです。コロナ蔓延前は2人で一台に乗って釣行しておりましたが、昨今の諸事情では厳しいと判断した次第です。

鉄製ポールのネジでやってしまいました。
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※第二の凶事
コレは私が肉体的に被害を受けたわけでは有りませんが、中国政府がウイグル人に行ったジェノサイド並みの集団虐殺を意に反して行ってしまったのです! 最近私はコロナウイルス対策に半分キチガイになっておりますので、釣り餌のブドウ虫が包まれている段ボールにアルコール消毒を施し、小さい袋に入れて車に積んでおりました。朝方になって釣り支度を済ませて餌箱にブドウ虫を移そうと思いましたが、いくら探してもブドウ虫を入れた袋が見つかりません! 後部座席などを探しまくりましたが出て来ませんので途方に暮れている時にフッと足の下にある物に目を移すと見覚えのある袋がクシャクシャになって私に踏まれておりました。中身はクリームシチュー状のモノが入っておりました。アレ???....しまった〜やってしまった〜と瞬時に事態を悟りましたが後の祭りです。潰されたブドウ虫君達が余りにも不憫過ぎて土に埋めて手を合わせました。土の上に何時も持参しているスキットルのウイスキーを御神酒代りにかけて念入りにブドウ虫君達の菩提を弔った次第です。釣り餌にするので変わらないだろ〜と思われると思いますが、役目を全うさせずに全て踏み潰すなんて釣り師として耐えられませんでした。此のカルマは必ず何処かで私に巡ってくると思います。

※第三の凶事
餌が無くなった私に心優しい兄貴分である先輩は餌を分けて下さりました。そこで気を取り直して釣りを開始致しました。釣り始めると浅瀬でヤマメが入れ食いです! ところが全てのヤマメは養殖魚であった為に早々に川にお帰り頂きました。 

交通至便にも関わらず綺麗な川です。
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そんななかで石をひっくり返して捕まえたオニチョロで小さい天然イワナが顔を見せてくれたのが幸いでした。釣り終えてからは川通しで入渓点まで戻りますが、その過程で足がツルっと滑ってコケてしまいました(ツルカワですから洒落に成りません)。そのとき水中の岩に思いっきり掌底を打ち込みましたが(本当は手をついただけ)、手の方に大きいダメージを受けてしまいました(瓦15枚を粉砕する私の掌底も岩には勝てませんでした)。

釣りを終えて家に帰りましたがコレ以上の災難はゴメンだったので家から出ませんでした。この日は他にも酔っ払っていないのにタバコを反対側から火を着けてしまったり、娘達の夕飯を作っている時に包丁で指を切ったり、火を止めたばかりのガスコンロのゴトクに触ってしまい火傷したり...など小さな凶事も沢山ありましたので、夜には大量の御酒で体をお祓いして早めに寝ました。

翌日は左手が火傷、切傷、打身による青アザなどのオンパレードとなっている事に我ながら驚きました。そこで朝から御祓いの為に刀の手入れを行う事としました。手入れは簡単です、錆を防ぐ為に刀に専用の油を塗るだけです。まず揉んで柔らかくした奉書紙で刀身に着いている古い油を拭き取ってから地鐵と刃文を鑑賞しました。地鉄の鍛え肌や刃文の沸を鑑賞していると不思議に心静かな気持ちになりました。

我が家の守り刀である薩州住平正良です。
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刀に住う魂魄がそうさせたのか分かりませんが、手入れが終わって刀身を白鞘に納めると不思議な事ですが、昨夜から継続するモヤモヤっとしたモノが消えた感じが致しました。そう言えばむかし父から強い力士の四股と、真面目な作域の刀は邪を祓うものだと聞いた事があります。気持ちの問題だとは思いますが、本当に気分が楽になりました。
心落ち着けて考えてみれば、小さい災難が起こる事によって大きの災難が発生しなかったのかも知れません。『人間万事塞翁が馬』と言われておりますが、恐らくそうなのであろうと思う事に致しました。その後は今に至るまで凶事は起きておらず、我が家の守り刀に宿る魂魄に改めて感謝した次第です。