木曽に釣行される方で歴史に御興味のある方は木曾義仲公縁の旗挙八幡宮をご参拝された方が多いと思われます。周辺には義仲館や手習天神、女武者である巴御前が水浴びをしたと伝わる巴淵、義仲公の養父である中原兼遠公のお墓など平家物語の最初を飾る有名な人物に纏わる場所が多く存在致します。釣りの合間にテーマを設けて立ち寄るのも楽しみのひとつです。
そんな中で目立たない存在では有りますが、宮ノ越の国道沿いに神気溢れる氏神様が鎮座されておりますのでご紹介致します。名前は『南宮神社』です。武田信玄公が諏訪法性の旗に『諏訪南宮上下大明神』と入れて軍旗にした事は有名ですが、此方の南宮神社は美濃の南宮大社から勧進されたと説明書きにはございました。御祭神の金山彦命は古事記や日本書紀にも登場する有名な神様で鉱山や鍛冶の守神とされております。なかでも古来よりの製鉄方法である『たたら』を行う人々が信仰した神様であると刀剣好きな私は認識しております。また金山彦命が勧進される前には違う神様が鎮座されていたと説明書きにございました。
鉱物の神→鍛冶の神→武具製造の神→刀槍の神→合戦の神....と連想されるのかは分かりませんが武運に御利益があり、同時に安産にも御利益があるとの事です。拝殿の横に『安産守りの石』と書いた木箱が有り、その中から石を一つ持ち出し、無事に子供が生まれたら一つ石を添えてお返しすると言う風習があると宿屋の主人から聞きました。
拝殿の前には峻烈な水が流れ降る小川が有り、何とも言えない雰囲気で綺麗です。
清い水流が左から右へ流れております。
山葵の葉が水流で揺れているのが涼しげでした。
貴重な赤岩が川縁に置かれておりました。
この赤岩を砕いて製作された物と思われる凄い竜神様が手洗舎にございます。竜神様の角と牙は恐らく鹿の角で製作された物と思われます。
国家である君が代にある『さざれ石』は木漏れ日の中で岩なのに光り輝いておりした。
凄いのは拝殿に向かって奥の岩山から流れ降る滝です。『旭の滝』と有りましたが義仲公の旭将軍に因んで命名されたモノでしょうか?
結構な高さから滝が流れます。
水の小さなしぶきに木漏れ日あたりキラキラ輝いているのが写真で表現出来なくて残念です。此の滝の前には紅葉が黄緑色の美しい葉を誇らしげに付けておりますが、秋の紅葉時にはさぞ美しい景色になると思われます。清浄な空気に満たされて清けやかな感覚が体中に満ちました。余所者である我々の様な遠来の釣り師が安全に釣行出来ている事に改めて御礼申し上げだ次第です。南宮神社の前の国道を数え切れない程通りましたが今回は何かを感じて初めて参拝致しました。