みすゞかる 信州の釣り人

体重0.14tの釣り師ですので目立つのが悩みです。 今までは写真を撮って釣行日誌としてましたが今後はブログとして趣味の歴史探索や刀剣も含めて綴ってみます。

帰郷 北信のお盆

昨年も今年のお正月も更科の実家には帰省しませんでしたが、今回は新盆である事とモデルナのワクチンを家族全員が既に2回受けた事も有り、帰省する事と致しました。8月8日に地獄の釜が開いてから地獄の釜が閉じる迄は全世界のコロナにおける死者の多さを考えると生き物の命を頂戴する釣りを控えております。亡き父もこの時期は釣りに行くなと私に幼い頃から私に諭してました。信州には四つの平がございまして、善光寺平、松本平、佐久平、伊那平です。大河が作った此の平野に多く人が集中しております。我が更科は善光寺平に位置致しております。


実家に帰るとお盆のお棚が妹夫婦により準備されてました。本当は結界の意味で床の間の左右に竹を置きます。
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精霊馬です。
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此方もそうです。
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先祖の霊が馬に乗り、子孫のもとに帰ってくると言われてますね!

盆棚は一番奥の座敷にある床の間に当家はこしらえます。


伝来の槍は表鬼門に向いて置かれてますね。
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他の邪霊を祓う為に刀剣も飾ります。
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短刀の拵えには我が家の家紋と亡き妻の実家の家紋を蒔絵で施してあります。
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此の奥座敷は父親のお気に入りでした。前にも話しましたが父親は観世流能楽師範であり、此の座敷と横の座敷を2つ使ってお弟子さんに能を教えてました。
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父が気に入っていた襖絵です。銘が有るのですが無学な私には分かりません。
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北信地区でお盆と言えば天ぷらです。
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お墓から提灯でご先祖さまを家にお連れして皆で夕ご飯を頂きました。幼い頃から変わらない行事と光景を通してなんだかリフレッシュ出来ました。

モデルナアームと思う処

モデルナ社のコロナワクチンを職域接種で受けました。1回目は何とも有りませんでしたが、今週水曜日に2回目を受けたところで少し変わった副作用が出てしまいました。私の場合は強烈な睡魔が襲って来たのです! 仕事中にも関わらず、デスクで1時間程の大爆睡でした(笑)。他は別に発熱する訳でも無く、倦怠感が出る訳でもありませんでしたが、社員の中では体調を崩して2日程休みを取る者もおりました。2日目以後は何故か眠りが深く、電車の中は勿論ですが部下とはなしている最中にも何回か落ちてしまいました。注射を打った腕は赤く腫れており、痛みはまったく無いのですが、赤く晴れておりおります。コレが昨今言われているモデルナアームらしいです。ガンダム世代の私にとってモデルナアームという響きは、何かこう腕にアーマーを付けて強くなったような気がしており、我ながら馬鹿過ぎて一人で苦笑してました。

前回木曽に釣行した時にトイレに寄りたくなったので巴淵にある公衆トイレを借りに無料駐車場に車を止め、用を足した後で巴淵を除いてみると初夏の緑に映えて美しい流れでした。

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巴淵には龍神伝説が残り、此の淵に住う龍神様が巴として生まれたと伝わります。巴は四郎兼光の娘とも兼遠公の娘とも伝わっておりますが、最強の女武者として義仲公を助けた事は間違いございません。世の中では義仲公の妻とされておりますが実際には妻ではなかったようです。源平盛衰記においては大力で一騎当千の強者とされております。粟津の戦いで義仲公が最後を迎える前に落ち延びるように命令されました。巴は最後の御奉公と敵の恩田八郎師重が現れたところを馬を横付けし、恩田を馬から引きずり落とし、組み伏せて首を掻き切ったとされております。此の一時を見ても相当に屈強な女武者であったと思われ、正に竜神さまの生まれ変わりの様ですね。

wikiより
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長大な薙刀を馬上で保持できるだけの膂力の持ち主であった事が垣間見れます。

観世流能楽師範の父より『巴』という題名で謡曲が有る事を聞いてた時から私の木曽義仲公に対する興味は始まりました。平家物語やその他の源平合戦の表現において義仲公が粗野に描かれている事が信州人として面白くございませんでした。そんな訳で今年のオフシーズンは義仲公について色々綴って行こうと思います。社会人になる前の話ですが、刀剣が趣味の一つでもある私は長年見たかった箱根神社所蔵の義仲公佩刀『微塵丸』を大学4年の時に慧眼しました。義仲公と共に世の中を変えた微塵丸の前において一時時間以上も動けませんでした。同時に釣りを通して木曽は第二の故郷とも思っており、木曽の中原兼遠公が養育された義仲公に対しての想いは30年以上経過した今でもとても強いモノがございます。後世で義仲四天王と言われた猛者たちは義に厚く剛力無双の『根井行親』そして行親の子である『盾親忠』兼遠公の次男である『樋口次郎兼光』同じく四男である『今井四郎兼平』がおります。他にも多くの武将が挙兵に参加しておりますが、中でも諏訪下社大祝であり、当代随一の弓の名手である金刺盛澄公、弟である光盛の合力は義仲公も大変力強く感じたのではないでしょうか。合力した武将は、そのまま当時における信濃国を代表する有力な武将です。此処まで書いただけでも胸が熱くなります。因みに金刺光盛公の弓術は残念ながら敵となった厳しい梶原景時公の心も動かしました(2019年7月22日の史跡探索 梶原景時公館跡をご参考)。

前回の釣行の時にリニューアルオープンした義仲館を後学為に見学しました。内容も以前比べて一層素晴らしいものになっておりましたので興味のある方は是非行ってみて下さい。

義仲館前にある義仲公と巴御前野像。
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源氏の旗印である笹竜胆が基礎の空に棚引いてました。
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釣りの合間に見つけた石像の考察

前回の木曽釣行の時ですが、次のポイントへ向かう途中に飲み物の自動販売機を見つけたので三矢サイダーを購入しました。暑かった事もあり、その場でスクリューキャップを外して腰に手を当ててラッパ飲みしておりますと、住民の皆さまが利用されるゴミ置き場がごさいました。そのゴミを入れる鉄制のカゴの向こうに道路と反対の藪の方を向いて石像がひとつございました。

この石像です。
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手が8本ごさいます。8本の手には弓、矢、刀、矛、斧、長杵、鉄輪、羂索をお持ちになっております。最初は仁徳天皇が遣わした和珥氏(わにうじ)の先祖である難波根子武振熊 (なにわのねこたけふるくま)に滅ぼされた飛騨地方に伝わる両面宿儺(りょうめんすくな)かと思いました。しかし日本書紀に出て来る両面宿儺は足が4本のはずなので違いました。其処で再度詳しく観察すると思いついた神さまがおりました。結論を言うと此の形も弁財天さまなのです。七福神の一柱であり、琵琶を持ちになって優しいお顔の印象がある弁財天さまですが、その実は戰神さまなのです。以前薮原地区の弁財天さまを紹介しましたが、今回の様に長くなるので詳しくは綴りませんでした。弁財天さまは元々ヒンズー教サラスヴァティーという神が仏教と同化したお名前と伝わります。

wikiより サラスヴァティー
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サラスヴァティーヒンズー教の創造神であるブラフマーの妻です。このお姿が我々が想像する弁天さまにつながりますね。ところが次に紹介する弁財天さまは少し趣きが違います。

広報ふじさわより『八臂弁才天坐蔵』
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此方の弁財天像は江島神社の八臂弁才天坐蔵で2019年に国指定重要文化財に指定されております。木曽の石像を見て私が思い出したのは此の像でした。

広報ふじさわより 『妙男弁財天像』
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此方はふくよかな女性のお姿で我々の何時も心に想う弁財天さまです。

ご覧の様に全く違う神様に見えます。神さまには荒魂(あらたま)と和魂(にぎたま)という2面性が有ると伝わります。良い事をしている人に見せる慈愛に満ちた側面と、反対に神罰を下す憤怒の一面と両方が有ると父から教えてもらいましました。木曽の街中のゴミ箱の横に有った弁天さまは荒魂の弁天さまでした。


弁天さまと気が付いた時は、思わず手を合わせたのですが、果たして三矢サイダーをラッパ飲みしていた私は荒魂の弁天さまにどの様に映ったのか分かりません。此の場所は大水が出ると容易に水が押し寄せそうな場所だったと思われ、恐らく古の方が荒魂の弁天さまをお祀りしていたかも知れません。父親の蔵書に日本の考古学者である樋口清之先生が記した『梅干しと日本刀』と言う有名な本がございました。其の本に確か日本人は過去の自然現象による災害を地名に残して後世に伝えたと言う一筋がございました。其処で父親が残した覚書にしたためられた内容を以下に紹介します。

父親の覚書より 

龍と竜  洪水
鮎 地盤緩い 
蛇 水と土石の災害
女 津波
亀 陥没 水が大地をえぐり陥没
駒 地盤緩い 
椿 崩壊しやすい
梅 埋め立てた土地 埋まる
柿 掻く 欠くに由来 
桜 雨で崩れやすい土地
倉 崖崩れ 雪崩
芝 柴又  低地帯
荻 穿に由来 災害で荒地となった
草 腐るに由来 古に何かが腐った 死体
鷺 裂くに由来した土地
袋 大雨の時に浸水し易い土地

改めて見てみると結構東京に覚えのある名前がある事に気がつきました。信州も平成の大合併で古い地名が無くなって新しく変わってますが、もしかすると先人が己が経験を後世の我々に残す為の大事な警告が失われているのかも知れません。冒頭に紹介した此の石像も過去に水害があったので後へ伝える為に水を司る弁天さまをお祀りしたと思われます。今回は取り止めのない話になり、申し訳ありませんでした。

木曽川 イワナ アマゴ釣り 暑い日

全国的に梅雨が明けました。連日酷暑が続いております。これからは夕立ちと台風のタイミングが重要となる事と共に、朝一のポイント選びが明暗を分ける事に成ります。しかし本日は不覚にも車中で寝過ごしてしまい、朝一のタイミングを棒に振ってしまいました....トホホ....。

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入渓場所には落差がある所を想像してました。決めたのは薮原地区の本流にある高い堰堤です。秋山郷に住んでいた師匠と一緒に雑魚川にある大滝に竿を出した時に『高い滝は必ず下から湧水が出ているから春でも夏でも魚が集まるんだ、特に夏と禁漁前が良いぞ』と教えて貰った事を思い出した次第です。

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遅れた分勇んで竿を出すと、小さいイワナのオンパレードです。5匹目くらいにリリースした小イワナが浮いたまま蘇生しなかったので骨酒様にビクに入れました。次にやっと食べ頃イワナが釣れてまいりました。

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上の写真を右手で携帯を持って撮影し、どうもアングルが気に入らなかったので更にもう一枚撮ろうとしたら手元からスルっと携帯が滑り落ち、ボチャっと水中に落ちました!一瞬凍りつきましたが、すぐさま拾い上げ電源を切り、乾かす為に河原石の上に起きました。なんてお馬鹿な事を...小イワナをビクに入れたせいかな〜と反省しても後のまつりです。竿を肩に担いだまましばらく呆然としてましたが、後は木曽のお天道様にお任せするしかごさいませんので再び釣りを再開致しました。

一番深い場所に鮎玉0.8号、錘下40cmにしてミミズを投入するとググっとイワナ特有のアタリが出ました。一呼吸置いて竿を上げると強い引きが手元に伝わってまいりました。前後左右に暴れましたが、最後にクルッと回った後で水面に姿を表したのは尺はあろうかと思われるイワナでした。その後もう1匹食べ頃サイズを追加するとアタリが遠のきましたので、先程の乾かした携帯を取り上げて恐る恐る電源を入れてみると何時ものアップルマークがついて待ち受け画面になりました。『助かった〜』と一人だけなのに思わず声にしてしまいました。木曽のお天道様に帽子をとって手を合わせて御礼申し上げました。

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携帯を乾かしてくれたお日様が高く上り、かなり気温が上がってまいりました。自己制限引数まで後1匹残ってますので木曽福島の行人橋下に行ってみると複数の釣り人がおりましたのでこの場所を諦めました。

川の流れに崖家造りの家が並びます。
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もう釣れても釣れなくても良いので、正沢川上流部に向かいました。以前は毎週の様に入ってましたが石が砂に埋もれて最近はメッキリ魚影が薄くなった事も有り、しばらく入っていない川の一つとなってました。川の様子も大水ですっかり変わってしまっていると思っていました。ところが実際現地に行ってみると過去に何回も大物を釣り上げたポイントが昔の状態で残ってました。早速元気な細ミミズを3匹ほど房掛けにしたモノを投入すると流れに逆らって目印が上流に上りました。釣り上げると18cmくらいの細いイワナでした。リリースして再度投入すると同じポイントでグクっとくるアタリが出ました。また18cmくらいかな〜と思いながら竿を上げると動きません! んん? 水中の枝か何かに引っかかったかな?と思いながら横に引っ張ると急に水中のモノが暴れ出しました。すこし浮いた魚体が黒かったのでイワナである事は間違い無いと思いましたが、其れにしても見事な暴れっぷりでした。タモ入れしたのは35cmの雌イワナでした。

魚体が黒く本流の魚とは違います。
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顔が小さいので小顔美人さんですね。
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此の幸運を木曽川竜神様に感謝し、拝礼した次第です。正沢川上流部は七笑橋付近とどのくらい標高差があるか分かりませんが涼しい釣り場でした。時計を見ると9時48分でしたが自己規定引数迄達していたのでこれで終わりとし、町田市までの帰路につきました。

木曽川 イワナ アマゴ釣り 梅雨明け

金曜日の夕方に思い立って木曽川にまいりました。梅雨明けで厳しい釣りに成る事は充分に理解しておりましたが、眠眠打破を2本飲んで高速をとばして来てしまいました。当然今回もサービエリアさえ寄らない釣り旅です。食事も娘が作ってくれた弁当2つと2リットル入り水筒を持参です。

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現地には勇んで朝3時に到着したので車中で少し休んでいると、結蒔こうなスピードで近づいてくる車両がございました。広い駐車スペースにも関わらず私の車を遮る様に停車し、中から私服の人と制服を着た警官が出てきました。私のところ来たのでウインドを下げて『どうしました?』と聞くと、我々は逃げたヤツを追ってるとの事(オレハニゲテネ〜)。私の顔を見て違うと判断した様でしたが、免許証の提示を求められました。何かやった犯人ですか?と聞くと『泥棒です』との事。釣りに来た旨を伝えると納得して再度凄い勢いで去って行きました。本当は殺人犯なのかな〜とか考えていたら仮眠時間が無くなってしまいました。

気持ちをリセットして前回良いアマゴが釣れたポイントに入ろうとしたら入口に岐阜ナンバーの車が止まっておりました。そこで塩川合流の下にある堰堤が2つあるポイントに向かいました。一段目の堰堤はタタキ、二段目はかなり規模が小さくなった低い堰堤です。しかしここの一段目の堰堤はタタキのくせして水深が有り何故かアマゴが着くのです。 

道路の上から撮影しました。
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これに会いたくて木曽まで来ました。
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狙い通りに一投目から太いアマゴが私の流したミミズを食ってくれました。本日は食いがたっていたのか分かりませんが、筋を変えて流すと更に木曽タナビラを2匹追加出来ました。

アタリが遠のいたので下の堰堤に移動し、今度はイワナを狙って重い錘でブレーキを掛けながら流すと目印が横に移動するアタリが出ました。合わせるとイワナ特有の重い引きです。なかなか手こずらせてくれた魚は綺麗な尺イワナでした。自己制限引数まで後1匹ですが充分に満足したましたので居たら良い魚が釣れる瀬の流心を鮎玉1号で攻めてみました。2回目の流しで『ズン』と大物のアタリです。合わせると先程の尺イワナとは比べ物にならない重くトルクのある引きです。私の硬い長竿がギシギシ音を立てて糸鳴りがしてます。大物イワナである事は間違いないので慎重にやり取り致しました。0.6号さん何とか切れないでくれ...と心で唱えながら2度目のタモ入れで何とか取り込みました。本日は正味1時間半の釣りでしたが、久しぶりに立派な渓魚を育む木曽川の底力を確認した釣りとなりました。良い魚を授けてくれた木曽川竜神さまに感謝し拝礼した次第です。

36cmですがトルクはそれ以上でした。
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重い強い引きの正体は此の太さでした。
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本日は食べ応えありそうです。
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釣り終えて水辺で魚の処理をしていると、薮原の町内放送が流れました。内容は『先程薮原の〇〇で熊が目撃されました。付近を通る方は充分に気をつけて下さい』です。警察に追われている人と間違えられたり、釣りをしている町内で熊さんが出たりと色々なの事が有った楽しい釣り旅と成りました。

帰りに何時もの南宮さまへお詣りをして帰路につきました。
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千曲川 イワナ釣り  曇りのち晴れ

夏の渓は体力の消耗が激しく疲れやすいのは私だけでましょうか、恥ずかしながら私は普通の人の2倍ほど重力が掛かっておりますので運動量も2倍です。夏は其の分熱量も上がり、渓友に言わせると『雨...降ったっけ?』と聞かれるほどに汗をかきます(反対に冬は最強です)。前向きに考えれば地球の自転は1日で一周なので24時間で約4万キロ....つまり時速1700kmでぶん回されているのですが、地面に足がついている喜びを人の2倍感じている幸せ者とも言えます(トホホ)。

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愚痴は此のくらいにして本題に入ります。最近は木曽まで行く意気地が無くて今週も千曲川水系にまいりました。先週より水量が落ちて水色も良い感じですが、掛かる魚が小さくリリースを繰り返しました。何時もの堰堤が現れたので少し錘を重くして底を流すと抑え込むアタリが出てやっと9寸が釣れてまいりました。今回も車に携帯を忘れてタモ入れ直後の美しい魚体を撮影出来ず無念です。また本来ならば立派な尺モノの時期ですがポイントを読み切れて無い己のウデが悔やまれます。帰りに川通しで戻っているとリリースした小さいのが浮いており、自己制限引数超過ですがキープ致しました。
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昨年撮影した大物ポイントの流れです。
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少し早めに終わったので最近足が遠のいている川上村内の偵察に行ってみる事と致しました。現在は『朝取りレタス』の最盛期です! 夜中に投光器を使ってみずみずしいレタスを収穫して居ます。個人的にもここのレタスは日本一だと思いますが、生産量も日本一との事。レタス長者は年収2500万以上で5000万以上の農家も多いとの事でした。お目当ての河川は変わりなく壊れておりました。畑に乗り入れる運搬車が普通に道路を走りますので必ず車が塗装でもしたかの様に薄い泥が満遍なく付着し帰宅後の一手間を増やして頂いております(笑)。
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磐長姫のお住いになる八ヶ岳は本日も厚い雲に覆われておりました。
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川上村のシンボルである男山は山頂のみ御出現頂いて出迎えてくれました。
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川上村には縄文時代中期の集落が点在しております。中でも大深山遺跡は日本最高地点の遺跡であり、多くの出土品が発掘されてます。数ある出土品の中で私が一番興味を持ったのは長野県宝に指定されている人面香炉型土器です。

川上村文化財センターhome pageより
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香炉形土器は縄文時代後期に多く制作されたみたいです。香道で使う香炉に良く形が似ているので香炉型土器と命名されたとされてます。使い方は全くの不明で生活に使用された物でなく、祭司や呪術を目的として使用された物だと推測する識者が多いとの事です。川上村に降りるところに野辺山高原が有り、其処には国立天文台宇宙電波観測所が有ります。野辺山高原にお泊まりの方で幸運な方は満天の星空をご覧になった方がいらっしゃると思いますが、星が落ちて来そうなくらい夜空いっぱいに煌めく星の世界が広がります。私も中学生の頃に天の川というものを野辺山で初めて慧眼致しました。さてこの人面香炉型土器ですが、はたして人面なのか宇宙人のマスクなのか分かりません。しかし人面でも宇宙人のマスクでも何で燃やしたのか?....色々な妄想が広がってしまう県宝です。この人面香炉型土器や出土した多くの土器は川上村文化センター内にある展示室でご覧になれます。

亡父から聞いた話だと川上村はイワナの宝庫で昔は手掴みでイワナが獲れたと聞いてます。数千年前の縄文人もきっと千曲川の豊富なイワナを食料にして周囲の山々を眺めていたと思います。此の雨雲もやがては晴れる様に疫病も晴れて退散してくれる事を磐長姫に祈念しながら川上村を後に致しました。

千曲川 イワナ ヤマメ釣り 雨のち晴れ


ピンポイント天気予報を今週何回クリックしたか分からないくらい千曲川流域の天気を気にしてましたが、『あまり降って無いな〜』と言うのが私の感覚でした。ところが現地に着いてみると朝一の千曲川は予想に反して増水の泥濁りでした。

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コリャ暫くダメだと思って車中で次女が作ってくれたお弁当を食べてフテ寝してました。7時30分に目が覚めたら、空はすっかり晴れておりました。川の水色を見ると相変わらず濁ってますが、感覚的に行ける濁りです。川に降りてみると水が太過ぎて遡行するのは厳しそうです。仕方なくヘチから竿が届く場所を釣りました。数カ所ほどイワナの避難所と思われる場所を探りましたがゴミしか引っ掛かってまいりません。全く持って私の感覚もアテになりません!

それならと大石川上流に向かいました。此方は濁りは大分治っていますが凄い水量です。太陽が出て来て気温も大分上がってまいりました。此の場所も岸から釣れる場所のみの限定でしたが、一投目から釣れてまいりました。その後泣き尺を交えて3匹加えて合計4匹の美しい天然イワナが釣れてくれました。

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自己制限引数まで1匹足りませんでしたので、海の口の南牧中学校の前を流れる小さい沢に向かいました。運が良かったら良いイワナが釣れるはずです。目的の川に着き、太い仕掛けに張り換えて早速投餌すると予想通りの場所でアタリが出ました! 強い引きですが暴れ方がイワナの動きではありません....ヤマメ?と思った途端に慎重に成りました....ボサを避けながらのやり取りはスリル満点です。なんとかタモに収まったのは28cmの太いヤマメでした。
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魚の処理を済ませて車中でテレビを付けると、熱海で土石流が発生して甚大な被害が出ているとの報道を見ました。我々渓流釣り師は流れの怖さを誰よりも知っておりますので、大岩や流木を交えた土石流の恐ろしさは容易に想像がつきます。犠牲となられた方々のご冥福を心よりお祈り致しました。

本日は八ヶ岳も雨雲に隠れておりました。
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